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法人・会社の自己破産

会社破産における雇用関係・従業員対応のQ&A

法人・会社の自己破産において,最も問題となりやすく,また,経営者にとっても最も心苦しい問題といえば,やはり雇用・労働の問題,つまり,従業員対応でしょう。

この雇用関係の対応・処理としては,単に従業員の解雇という問題だけではなく,賃金の支払の問題,社会保険等の問題,源泉徴収などさまざまな事務手続も行っておく必要があります。

ここでは,この法人・会社の破産における雇用・労働関係の対応に関するよくあるご質問について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がQ&A方式でお答えいたします。

会社破産における雇用関係・従業員対応のQ&A

(著者:弁護士 志賀 貴

※東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所の法人破産・会社破産の実績等について詳しくは,法人破産・会社破産に強い弁護士をお探しの方へをご参照ください。

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従業員の解雇の要否

Q. 法人・会社が自己破産した場合,従業員はどうなるのでしょうか?
A. 破産管財人によって解雇されることになります。
Q. 会社を自己破産する前に従業員を解雇または退職してもらった方がよいのでしょうか?
A. 基本的には先に解雇または退職してもらったしておいた方がよいでしょう。
Q. 従業員を解雇する場合には特別な金銭支払いが必要ですか?
A. 任意の退職ではなく「解雇」する場合には,解雇予告手当の支払いが必要となることがあります。解雇日より30日以上前に解雇予告をしておけば,この解雇予告手当を支払う必要はなくなりますが,あまりに早く解雇予告をすると,そこから倒産をすることが債権者等に知られてしまうおそれがありますので,ケースバイケースで対応を考える必要が出てきます。
Q. 解雇予告手当とは何ですか?
A. 従業員を解雇する場合には,解雇日から30日以上前に解雇予告をするか,または,解雇予告日から解雇日までの日数に応じて一定の金銭を支払わなけれならないとされています。この金銭のことを解雇予告手当といいます。
Q. 解雇予告手当はどのように計算すればよいのですか?
A. 解雇予告日から解雇日までの日数に応じて計算します。つまり,解雇予告日が早ければ早いほど金額は少なくなります。解雇予告日が解雇日から30日以上前であれば解雇予告手当は発生しません。1日当たりの金額は【 直前3か月内に支払われた賃金総額 ÷ その3か月の総日数 】で計算をします。
Q. 解雇予告手当を支払っておいた方がよいでしょうか?
A. 解雇予告手当を破産申立て前に支払うべきかどうかはケースバイケースです。支払をしたことが問題となるケースもあり得ますので,弁護士に相談されるべきでしょう。
Q. 従業員を解雇する場合にはどのような事務処理をしておいた方がよいでしょうか?
A. 従業員を解雇する場合には,解雇通知書を作成しておくべきです。また,従業員から求めがあれば,解雇理由書を渡す必要もあります。加えて,解雇した年の1月1日から解雇日までの源泉徴収票を作成しておく必要もあります。

賃金の支払いの可否

Q. 法人・会社が自己破産した場合,従業員の給与はどうなりますか?
A. 基本的には,破産財団(破産した法人・会社の財産)があればそこから支払われることになります。ただし,全額支払われるとは限りませんし,財産が十分でなければ破産財団から支払われないこともあります。
Q. 従業員の給与だけ破産申立て前に支払っておいてもよいのでしょうか?
A. 給与などの賃金を破産申立て前に支払うべきかどうかはケースバイケースです。支払をしたことが問題となるケースもあり得ますので,弁護士に相談されるべきでしょう。
Q. 法人・会社が自己破産した場合,従業員の退職金はどうなるのですか?
A. 退職金も,破産財団(破産した法人・会社の財産)があればそこから支払われることになります。ただし,全額支払われるとは限りませんし,財産が十分でなければ破産財団から支払われないこともあります。
Q. 自己破産した場合,未払いの従業員の給料も他の債権者と同じように扱われるのでしょうか?
A. いいえ。従業員の給料などの労働債権は,借金などの他の債権よりも優先されるものとして扱われています。具体的には,「破産手続開始決定前3か月分の従業員の未払給料」「退職前3か月間の給料の総額に相当する額の退職金」は財団債権といって,法人財産があれば,随時支払いがなされます。それ以外の部分は,随時支払いがなされるとまではいきませんが,他の債権よりも優先して配当を受けることができるものとされています。
Q. 会社にまったく財産がないので,自己破産をしても,従業員の給料が配当されない可能性があります。従業員に少しでも支払ってあげる方法はないのでしょうか?
A. 独立行政法人労働者健康福祉機構の未払い賃金立替制度を利用するという方法があります。
Q. 未払い賃金立替制度とはどのような制度ですか?
A. 未払い賃金立替制度とは,文字どおり,会社が自己破産するなどして退職を余儀なくされた労働者に対して,独立行政法人労働者健康福祉機構が未払いの給料等の賃金を立替払いしてくれるという制度です。そして,同機構が,立替をした金額について,従業員の代わりに債権者として破産手続に参加することになります(詳しくは,独立行政法人労働者健康福祉機構ホームページ)。
Q. 未払い賃金立替制度を利用すると,どのくらいの金額が支払われるのでしょうか?
A. 未払い賃金立替制度では,最大で未払い給料・退職金の8割が支払われます。ただし,退職日から6か月前までに支払期限がきているものに限られます。
Q. 未払い賃金立替制度はどの法人・会社でも利用できるのですか?
A. いいえ。未払い賃金立替制度が利用できるのは,法人・会社が,労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業で1年以上事業活動を行っていたことが条件となっています。
Q. 未払い賃金立替制度を利用すると,支払われる給料などは最大で8割までに限られるのですか?
A. いいえ,そのようなことはありません。未払い賃金立替制度によって8割が支払われた場合でも,法人・会社に財産があれば,残りの2割が破産財団から支払われる又は配当されることも当然にあり得ます。

社会保険等の事務手続

Q. 会社を破産する場合,従業員の社会保険はどうすればよいですか?
A. 法人・会社が破産すれば,従業員の社会保険料は当然支払えなくなってしまいますので,社会保険の適用事業所の廃止手続(次の質問で詳述)を行うとともに,従業員に対して,国民健康保険・国民年金に変更してもらうか,すでに次の就業先が決まっているのであれば,そちらで社会保険に加入してもらうように説明すべきです。なお,健康保険については,現在加入中の健康保険を任意継続することも可能です。
Q. 会社として社会保険について何かやっておくべきことはありますか?
A. 社会保険に加入している場合には,健康保険・厚生年金・雇用保険について,適用事業所の廃止の手続を行う必要があります。健康保険・厚生年金については,管轄の年金事務所に,適用事業所全喪届および該当する従業員の資格喪失届を提出します。また,従業員から被保険者カード等(いわゆる保険証)を回収し,それも年金事務所に返却します。雇用保険については,管轄のハローワークに,適用事業所廃止届および該当する従業員の離職票・雇用保険被保険者資格喪失届を提出する必要があります。
従業員がすぐに失業手当を受けられるようにしてあげたいのですが,どうすればよいですか?
A. 上記のとおり,ハローワークに,適用事業所廃止届および該当する従業員の離職票・雇用保険被保険者資格喪失届を提出し,ハローワークから離職票が届いたら,それをすみやかに従業員に交付してあげる必要があります。
Q. 従業員の社会保険料を滞納している場合はどうなるのでしょうか?
A. 会社・法人が破産した場合,滞納している社会保険料の支払義務も消滅します。
Q. 会社を破産する場合,従業員の住民税の特別徴収はどうすればよいですか?
A. 法人・会社が破産すれば,特別徴収はできなくなりますので,管轄の市区町村に給与所得者異動届を提出するとともに,従業員に対して,普通徴収(従業員が自分で支払う方法)への変更が必要となることを説明しておくべきです。
Q. 従業員の住民税の特別徴収分を滞納している場合はどうなるのでしょうか?
A. 会社・法人が破産した場合,滞納している特別徴収分の支払義務も消滅します。

取締役などの役員の場合

Q. 会社・法人が破産する場合,取締役の報酬も従業員の賃金のように,支払いが優先されるのでしょうか?
A. いいえ。取締役の役員報酬は,従業員の賃金と異なり優先的な債権にはなりません。したがって,借入金などの他の債権と同様に扱われることになります。
Q. 会社・法人が破産する前に,役員報酬を支払っておいてもよいですか?
A. いいえ。上記のとおり,役員報酬には何らの優先的な効力もないので,他の支払をせずに役員報酬だけ支払うようなことがあれば,偏頗弁済として否認権行使の対象となります。
Q. 取締役の役員報酬について,未払い賃金立替制度は利用できますか?
A. いいえ。役員報酬については,未払い賃金立替制度は利用できません。したがって,法人・会社破産後に収入が無くなるという場合には,急ぎ次の職を探すか,生活保護などを利用する必要があるでしょう。

会社破産における雇用問題対応に関連するページ

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