滞納賃料・家賃等の請求とともに不動産明渡しも請求すべきか?
滞納家賃・地代などの賃料回収に伴って,その対象不動産の明渡しも求めるということがあります。
ここでは,滞納賃料・家賃等の回収とともに不動産の明渡しも請求するした方がよいのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。
滞納賃料・家賃等の請求とともに不動産明渡しも請求すべきか?
※東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所における不動産賃料・家賃等の滞納に関する法律相談・ご依頼について詳しくは,弁護士による滞納賃料・家賃等の回収の法律相談 をご参照ください。
賃料の滞納と明渡しの関係
家賃や地代など賃貸借契約に基づく賃料の支払いが滞納した場合,賃貸人(貸主)は,当然,その滞納している賃料の支払いを賃借人(借主)に対して求めることになります。
加えて,賃料を滞納するということは,賃貸借契約に基づく賃借人としての義務(賃料支払義務)の履行を遅滞しており,法的にいえば,債務不履行をしているということになります。
したがって,賃貸人は,賃借人に対して,滞納賃料に支払いだけでなく,賃貸借契約の解除(解約)をすることが可能となります。
そして,賃貸借契約が解約されれれば,賃借人はその目的物たる不動産に住んでいる正当な権限を失うことになりますから,賃貸人は,賃借人に対して,その不動産からの退去・明渡しを求めることができるということになります。
>> 賃借人(借主)の法的義務
賃料滞納による明渡し
前記のとおり,賃借人が賃料を滞納した場合,賃貸人は,賃料滞納という債務不履行を理由に賃貸借契約を解除して,賃貸不動産の明渡しを求めることが可能です。
もっとも,1回分の滞納があったという程度で賃貸借契約を解除することはできません。
賃貸借契約のような当事者間の信頼関係に基づく継続的契約については,信頼関係破壊の理論が適用され,当事者間の信頼関係が破壊されたといえるような事情がない限り,契約を解除することはできないと考えられているからです。
家賃・地代などの賃料の滞納の場合,1回分の滞納程度では信頼関係が破壊されたという判断はされず,数回にわたる滞納があってはじめて信頼関係破壊があったと評価されるのが通常です。
具体的に何回分滞納があったら信頼関係破壊と評価されるのかについて明確な基準はありませんが,一応,実務的には,月払いの場合で3か月分以上の滞納があると信頼関係破壊と評価されやすいでしょう。
明渡しも求めるべきか否かの判断
前記のとおり,複数回にわたるような家賃・地代などの賃料滞納があれば賃貸借契約を解除して,賃貸不動産の明渡しを求めることができるようになります。
もっとも,実際に賃貸借契約解除ができるからといって,必ずそうしなければならないわけではありません。解除までするかどうかということも,検討しなければならないでしょう。
一般的にいえば,滞納賃料を回収するためには,賃貸借契約の解除という威嚇力をもって請求する方が効果があることは間違いないでしょう。
とはいえ,賃貸借契約をいったん解除してしまい,実際に明渡しということにまで至った場合,賃貸人としては,空室を埋めるために,また賃借人を探さなければならないことになります。
その賃貸物件が人気物件で,空室・空き家になってもすぐに借りてくれる人が見つかるというのであれば賃貸借契約解除・明渡しを選択しても問題ないでしょうが,そうではなく,できれば賃料滞納を解消した上で,引き続き現在の賃借人に借り続けて欲しいという場合もないわけではありません。
したがって,賃貸借契約を解除して明渡しまで求めるのかどうかについては,後の賃貸物件の経営等も考慮して検討する必要があるでしょう。
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