不動産とは何かに関するよくあるご質問・Q&A
法律上「不動産」とは「土地及びその定着物」のことをいうとされています。土地の定着物として代表的な物は「建物」です。
ここでは,この不動産とは何かに関するよくあるご質問について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がQ&A形式でお答えいたします。
不動産とは何かのQ&A
(著者:弁護士 志賀 貴 )
なお,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所における不動産トラブルの法律相談・ご依頼について詳しくは,弁護士による不動産トラブルの法律相談 をご参照ください。
不動産の意味
- Q. 不動産とは何ですか?
- A. 不動産とは,法律上,「土地」および「その定着物」のことをいいます(民法86条1項)。
- Q. 動産とは何ですか?
- A. 動産とは,不動産以外の物のことをいいます(民法86条2項)。
- Q. 土地の定着物とは何ですか?
- A. 土地の定着物とは,土地の構成物を除き,土地と一体のものとして扱われている物のことをいいます。代表的な土地の定着物といえば「建物」です。
- Q. 土地と建物は別の不動産なのですか?
- A. はい。わが国では,土地と建物は別個の不動産として扱われることになります。
- Q. 土地に生えている草や樹木も,土地とは別の不動産または動産になるのですか?
- A. いいえ。土地そのものを構成している物や,取引通念上で土地と区別して取引すべき価値の無い物は,土地の定着物として土地とは別個の不動産として扱われることはなく,土地の構成物として,土地と完全に一体のものとして扱われます。したがって,土地そのものを構成する草や樹木は,土地の構成物となるので,その土地と別個の不動産や動産として扱われることはありません(ただし,樹木に関しては,立木法によって別個の不動産として扱われる場合があります。)。
不動産としての土地
- Q. 法律上の不動産となる「土地」とは何ですか?
- A. 法律上の不動産となる「土地」とは,人為的に区分された一定範囲の空中およ地中を包含する地面のことをいいます。
- Q. 土地の空中はどのように扱われるのでしょうか?
- A. 法律上の不動産としての土地には,地面だけでなく,一定の範囲の空中も含まれます。ただし,空中の範囲は際限がありません。そこで,不動産としての土地が包含する空中は,社会通念上,その土地利用に必要となる範囲に限られると解されています。
- Q. 土地の地中はどのように扱われるのでしょうか?
- A. 法律上の不動産としての土地には,地面だけでなく,一定の範囲の地中も含まれます。ただし,地中の範囲に何らの限定もないとすると,相当程度の深度までに達してしまいます。そこで,不動産としての土地が包含する地中は,社会通念上,その土地利用に必要となる範囲に限られると解されています。
- Q. 土地の個数はどのように数えるのですか?
- A. 人為的に区分された土地,すなわち,不動産登記において1個のものとされている土地を1つとして数えます。土地の数え方の単位は「筆」で表されます。
- Q. 登記上の1筆の土地を複数に区分して利用している場合,不動産としては複数のものがあるということになるのでしょうか?
- A. いいえ。登記上1筆である以上,1個の土地として扱われます。
- Q. 登記上では複数の土地を1つのものとして利用している場合,不動産としては1つの不動産として扱われることになるのでしょうか?
- A. いいえ。登記上複数である以上,複数の土地として扱われます。
不動産としての建物
- Q. 不動産登記法上では「建物」とはどのように扱われているのでしょうか?
- A. 建物については,不動産登記法111条で,「建物は,屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し,土地に定着した建造物であって,その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。」と定義されています。
- Q. 法律上の不動産となる「建物」とは何ですか?
- A. 建物とは何かというのは難しい問題ですが,上記不動産登記法111条の定義を参考にしつつも,その建造物の目的・性質などを考慮に入れて,取引通念上,建物といえるのかを個別具体的に判断する必要があります。
- Q. 建物の個数はどのように判断するのですか?
- A. 上記のとおり,社会通念・取引通念上,1個の建物といえるのかどうかを,その建造物の目的や性質からご別具体的に判断する必要があります。
土地・建物以外の不動産
- Q. 土地や建物以外には,どのような不動産があるのですか?
- A. 土地・建物のほかにも,立木ニ関スル法律(立木法)の規定によって登記された樹木や,工場抵当法によって登記された特定の工場内の機材等なども不動産として扱われることになります。
- Q. 樹木も不動産として扱われる場合があるのでしょうか?
- A. 上記のとおり,樹木であっても,立木ニ関スル法律(立木法)によって登記された場合または明認方法を施された場合には,土地とは独立の不動産として扱われることになります。
- Q. 樹木が不動産として扱われるのはどのような場合ですか?
- A. 上記のとおり,立木ニ関スル法律(立木法)に基づく登記がなされた場合,または,土地とは独立の物であることを明示した立札等を設置するなどの「明認方法」を施されている場合です。
不動産と何かに関連するページ
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