遺留分の算定に関するよくあるご質問・Q&A
兄弟姉妹を除く法定相続人には,最低限度の相続財産の保障として,遺留分が認められています。この遺留分の算定方法は,通常の法定相続分の場合とは異なっています。
ここでは,この遺留分の算定に関するよくあるご質問について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所が,Q&A形式でお答えします。
遺留分の算定に関するよくあるご質問
(著者:弁護士 志賀 貴 )
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遺留分の算定の基本
- Q. 遺留分を請求できるのは誰ですか?
- A. 遺留分を請求できるのは,兄弟姉妹を除く法定相続人です。
- Q. 兄弟姉妹は相続人になる場合でも遺留分を請求できないのですか?
- A. はい。兄弟姉妹については,法定相続人となる場合であっても,遺留分減殺請求をすることはできません。
- Q. 遺留分はどのように計算するのですか?
- A. 遺留分は,直系尊属のみが法定相続人である場合には【遺留分の基礎となる相続財産の3分の1】,それ以外の場合には【遺留分の基礎となる相続財産の2分の1】が遺留分となります。
- Q. 直系尊属のみが相続人である場合,その直系尊属の遺留分はどのくらいになりますか?
- A. 直系尊属のみが法定相続人である場合には,遺留分の基礎となる財産(基礎財産)の3分の1が遺留分となります。たとえば,法定相続人として父母のみがいるという場合,各自の遺留分は,基礎財産の3分の1×2人=6分の1ずつということになります。
- Q. 子のみが相続人である場合,その子の遺留分はどのくらいになりますか?
- A. 子のみが法定相続人である場合には,遺留分の基礎となる財産(基礎財産)の2分の1が遺留分となります。たとえば,法定相続人として子が4人いるという場合には,各自の遺留分は,基礎財産の2分の1×4人=8分の1ずつということになります。
- Q. 直系尊属と配偶者が相続人である場合,それぞれの遺留分はどのくらいになりますか?
- A. 直系尊属と配偶者が法定相続人である場合,直系尊属の遺留分は法定相続分3分の1×2分の1=6分の1となり,配偶者の遺留分は法定相続分3分の2×2分の1=3分の1となります。
- Q. 子と配偶者が相続人である場合,それぞれの直系尊属の遺留分はどのくらいになりますか?
- A. 子と配偶者が法定相続人である場合,子の遺留分は法定相続分2分の1×2分の1=4分の1となり,配偶者の遺留分は法定相続分2分の1×2分の1=4分の1となります。
遺留分算定の基礎となる財産
- Q. 遺留分算定の基礎となる財産とは何ですか?
- A. 遺留分算定の基礎となる財産(基礎財産)は,【相続開始時において被相続人が有していた積極財産+贈与財産の価額-相続債務】によって算定します。
- Q. 借金などの負債・マイナスの財産は基礎財産の算出においてどのように処理するのですか?
- A. 負債などマイナスの相続財産は,遺留分算定の基礎となる財産からは除外されることになります。
- Q. 遺留分算定の基礎財産には全ての贈与が含まれるのですか?
- A. いいえ。基礎財産に含まれる贈与は限定されています。基礎財産に含まれる贈与は,相続開始前1年以内にされた贈与・遺留分権利者に損害を与えることになることを知ってされた贈与・不相当な対価でなされた贈与の場合のみです。
- Q. 生命保険の保険金は基礎財産に含まれますか?
- A. 生命保険金は,遺留分算定の基礎財産に含まれないと解されています。
- Q. 遺留分算定の基礎となる財産は,相続財産と同じですか?
- A. 死亡退職金は,遺留分算定の基礎財産に含まれないと解されています。
- Q. 遺贈は基礎財産に含まれますか?
- A. はい。遺贈も基礎財産に含まれます。
- Q. 被相続人による生前贈与はどのように扱えばよいのでしょうか?
- A. 前記のとおり,生前贈与のうちで,相続開始前1年以内にされた贈与・遺留分権利者に損害を与えることになることを知ってされた贈与・不相当な対価でなされたものについては,遺留分算定の基礎財産に含まれることになります。
- Q. 被相続人による負担付贈与はどのように扱えばよいのでしょうか?
- A. 負担付贈与も,相続開始前1年以内にされた贈与・遺留分権利者に損害を与えることになることを知ってされた贈与・不相当な対価でなされたものについては,遺留分算定の基礎財産に含まれることになります。ただし,負担付贈与の場合には,贈与価額から負担価額を控除した金額のみが基礎財産に含まれることになります。
- Q. 保証債務も基礎財産から控除されますか?
- A. 保証債務が控除されるかについては争いがありますが,保証債務は基礎財産から控除されないと考えるのが通説的見解です。
- Q. 基礎財産の価額はどの時点を基準として算出するのでしょうか?
- A. 相続開始時を基準として算出することになります。
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