自己破産・同時廃止手続の流れ
破産手続は,裁判所から選任された破産管財人によって進められていきます。これを管財手続といいます。
東京地方裁判所本庁などでは,弁護士が代理人となっている場合に限り,個人の自己破産について裁判所費用を少額とする「少額管財」という制度が用意されています。
また,破産手続には,上記の管財手続の他に,例外的手続として同時廃止という手続があります。
これは,破産管財人が調査するまでもなく,換価処分すべき財産が無いことが明らかな場合に認められるもので,破産手続の開始と同時に手続が廃止(終了)してしまうという簡易手続です。
ここでは,自己破産の手続のうち,同時廃止の場合の手続の流れについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。
自己破産・同時廃止の手続の流れ
(著者:弁護士 志賀 貴 )
東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所における個人の自己破産申立ての実績・経験やお取り扱いについては個人の自己破産申立ての経験豊富な弁護士をお探しの方へをご参照ください。
STEP1 弁護士による自己破産の無料相談
自己破産申立てをお考えの場合,まずは,弁護士にご相談をいただくことになります。東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所では,自己破産のご相談は無料相談です。
無料相談では,債権者の情報,借金などの状況,資産の状況,借金が増えてしまった状況などをお聞きし,自己破産を進めるべきかどうかをご相談させていただくことになります。

STEP2 弁護士との自己破産の委任契約
ご相談の結果,弁護士に自己破産の代理人を依頼することになった場合,弁護士との間で,自己破産に関する委任契約を締結することになります。弁護士費用については,分割も可能です。

STEP3 受任通知の送付(貸金業者等からの取立て停止)
委任契約締結後,弁護士が債権者に対して,債務者の方の代理人となったことを通知します。この通知のことを「受任通知」,「債務整理開始通知」,「介入通知」などと呼んでいます。
この通知を送ると,貸金業者・債権回収会社などの金融機関からの直接の取立てが停止します。

STEP4 取引履歴の開示請求
受任通知の送付と同時に,それまでの取引の履歴を開示するよう請求します。貸金業者には取引履歴の開示義務があるとされています。

STEP5 引き直し計算
サラ金などの貸金業者は,利息制限法の制限利率を超える利率の利息をとっていた時代があります。
この利息制限法所定の制限超過利息は無効ですので,取引履歴をもとに,今までの取引すべてを利息制限法の範囲内の利率に直して計算し直します。これを「引き直し計算」といいます。

STEP6 過払金の返還請求
引き直し計算の結果,過払金が発生していることが判明した場合,貸金業者等に対して過払金を返還するように請求します。
現在では,交渉によってだけではまともに過払金を回収できない状況になっていますので,大半の場合,裁判によって過払金の返還を請求することになります。

STEP7 債権調査
受任通知の送付・取引履歴の開示・引き直し計算・過払金請求などによって,現在どのくらいの債務があるのかを確定します。この手続を総じて「債権調査」と呼んでいます。
>> 債権調査手続のQ&A

STEP8 資産調査
自己破産は資産の処分が必要となる場合がありますので,資産をきっちり調査しておく必要があります。これを資産調査・財産調査と呼んでいます。

STEP9 免責調査
債権調査・資産調査と並行して,免責不許可事由がないかどうかについても調査をします。これを免責調査とよんでいます。

STEP10 破産手続開始・免責許可の申立書の作成
債権調査・資産調査の結果をもとに,弁護士が破産手続開始・免責許可の申立書を作成します。申立書には各種の書類を添付する必要があります。この各書類の準備・収集は,基本的に,債務者(依頼人)の方に行っていただくことになります。

STEP11 破産手続開始・免責許可の申立て(即日面接)
申立書が完成したならば,裁判所にこの申立書を提出して破産手続開始・免責許可の申立てをします。
東京地方裁判所本庁の場合には,裁判官と代理人弁護士が申立書提出と同時に協議して申立てを行う「即日面接」という制度があります。
即日面接においては債務者の方の出席は不要です。即日面接の場で,破産手続開始決定の日程,少額管財か同時廃止かが決まります。
なお,即日面接の運用が無い裁判所(立川支部もありません。)の場合には,基本的には書面審査ということになります。ただし,事案の内容等によっては,STEP14の破産審尋が行われることがあります。
この書面審査または破産審尋の場で,管財手続か同時廃止手続かが決まり,破産手続開始決定がなされることになっています。
なお,弁護士費用(着手金)が分割払いの場合には,この着手金と実費が支払われてから申立てをすることになります(ただし,STEP3から10までは,全額支払い前でも遂行していきますのでご安心ください。)。

STEP12 申立て費用の納付
破産手続・免責許可の申立てと同時に,裁判所に官報公告費を支払います。官報公告費の金額は各裁判所によって若干異なります。
なお,その他に手数料(収入印紙を申立書に貼付する形で支払います。)や郵便切手(これも各裁判所によって金額が異なります。)の納付も必要となります。

STEP13 破産審尋
申立て後,破産審尋が行われます。ここで,破産手続を開始してよいかどうかが判断されることになります。本人申立ての場合には,弁護士代理人がいる場合よりも詳細な聴取が行われるようです。

STEP14 破産手続開始決定
破産審尋が行われ,破産の原因があると判断された場合,裁判所が破産手続開始決定を下します。かつては破産宣告と呼ばれていた裁判です。これにより,破産手続が開始されます。
同時廃止と判断された場合には,この破産手続開始決定と同時に破産手続同時廃止決定がなされ,開始と同時に破産手続が終結することになります。
破産手続開始決定がなされると,債務者宛ての郵便は破産管財人に転送され,資格制限や居住制限が開始されます。また,破産手続開始決定がなされたことが官報に公告されることになります。

STEP15 免責審尋
破産手続が終了しても,まだ免責手続は終わっていません。免責許可を与えてよいかどうかを調査する免責審尋手続が行われます。
同時廃止の場合には,破産手続開始後一定期間後に免責審尋が行われます。ここでは,裁判官が直接債務者に話を聞くことになります。

STEP16 免責決定
免責審尋が終了した後一定期間後に,裁判所によって免責に関する決定が下されることになります。免責が許される場合には免責許可決定が,許されない場合には免責不許可決定が下されます。

STEP17 免責の決定後
なお,免責が不許可となった場合でも,異議を出すことができます。許可を求めて上級の裁判所において不許可決定の効力を争うことは可能です。あるいは,別の債務整理手続(個人再生など)に切り替えることも考えるべきでしょう。

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