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刑事弁護

刑事手続の基本原則に関するよくあるご質問

刑事手続は,いかに犯罪者を裁く裁判手続であるとはいっても,被疑者・被告人の人権を大幅に制約する手続です。そして,刑事手続には,常に冤罪の危険がつきまとっています。

そのため,刑事手続は,刑事訴訟法によってさまざまな厳格な基本原則が設けられています。この各種の基本原則が守られてはじめて,刑事手続は適正な手続となるのです。

このページでは,刑事手続の各種基本原則に関するよくあるご質問について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所が,Q&A形式でお答えいたします。

刑事手続の基本原則に関するよくあるご質問

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刑事手続とは?

Q. 刑事手続とはどのような手続ですか?
A. 刑事手続とは,犯罪事実を明らかにして犯人を確定するとともに,その犯人に対して,いかなる刑罰を科すべきかを判断するための捜査・裁判手続のことをいいます。
Q. 刑事手続は民事手続とどのような違いがあるのですか?
A. 上記のとおり,刑事手続は,犯罪事実の確定および刑罰を科すか否かを決めるための裁判手続であり,国家権力の作用そのものです。これに対し,民事手続は,あくまで私人間での権利義務に関する紛争を取り扱うものであり,国家権力の関与はあるものの,国家権力の作用そのものとはいえない裁判手続であるという違いがあります。(詳しくは,刑事手続と民事手続の違い
Q. 刑事訴訟法とはどのような法律ですか?
A. 刑事手続を厳格に規律する法律です。その主眼は,被疑者・被告人の人権保障にあります。
Q. 被疑者・被告人の人権保障はなぜ必要なのですか?
A. 刑事手続の有名な格言として「100人の真犯人を解放することになっても,1人の無辜の者に刑罰を科すことは許されない。」というものがあります。すなわち,被疑者・被告人の人権保障の主眼は,第一に無実の人に刑罰を科すことがないようにする(冤罪を防止する)ということがあります。また,歴史的に国家権力によって市民が不当な刑罰にさらされてきたことに鑑み,たとえ犯罪を犯した者であっても,適正な裁判手続を受けるべきであるという考え方がその根底にあります。
Q. 被疑者・被告人には憲法上どのような人権が保障されているのですか?
A. 日本国憲法においては,罪刑法定主義(31条),裁判を受ける権利(32条),身体拘束に関する令状主義(33条),理由開示・弁護人選任の権利を与えられなければ拘禁されない権利,拘禁理由の開示を求める権利(34条),捜索・差押えに関する令状主義(35条),公平・公開・迅速な裁判を受ける権利,反対尋問権,公費で証人を求める権利,弁護人選任権,国選弁護人の選任権(37条),自白法則・不利益供述の禁止(38条),一事不再理の原則(39条),刑事補償を請求する権利(40条),拷問・残虐な刑罰の禁止(36条)が人権として保障されています。(詳しくは,日本国憲法における人権の種類
Q. 被疑者と被告人は何が違うのでしょうか?
A. 被疑者とは,起訴される以前の段階で,犯罪の嫌疑を受けている人のことをいいます。これに対して,起訴された後は,その被疑者は,被告人と呼ばれることになります。
Q. 容疑者と被疑者は何が違うのでしょうか?
A. 「容疑者」と「被疑者」は,一般的には,犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっている人として,同じ意味として捉えられていると思われます。ただし,「容疑者」という用語は,法律上にはありません。法律上はあくまで「被疑者」と呼ばれています。
Q. 被告と被告人に違いがあるのでしょうか?
A. 一般的には,刑事手続の被告人も「被告」と呼ばれていますが,これは法律的にいえば明らかな間違いです。被告とは,民事手続における一方当事者のことを指します。刑事手続における当事者の法律上の正確な名称は,被告ではなく「被告人」です。

罪刑法定主義とは?

Q. 法令で定められていない場合でも刑罰を受けることはありますか?
A. いいえ。法令で定められていない以上,ある行為について刑罰を受けることはありません。
Q. 罪刑法定主義とはどのような原則ですか?
A. 罪刑法定主義とは,法律によって犯罪に該当する行為とそれに対する刑罰が定められていない限り,その行為については犯罪として処罰されることはないとする刑事手続上の基本原則のことをいいます。その趣旨は,法律によって犯罪と刑罰を明確にすることによって,国民にどのような行為が犯罪に該当するのかという行動の予測可能性を与えることにあります。
Q. 条例で定められているだけで,刑罰を受けることはありますか?
A. はい。罪刑法定主義によれば,犯罪事実と刑罰は法律によって定められていなければならないとされていますが,条例については,法律と同様の民主的基盤を有することから,法律の範囲内であれば条例によっても犯罪と刑罰を定めることができるとされています。したがって,条例によって定められている場合であっても,犯罪として刑罰を受けることはあります。
Q. 政令で定めれらているだけで,刑罰を受けることはありますか?
A. 政令においても犯罪と刑罰が定められている場合があります。もっとも,政令は法律と異なり民主的な基盤がないので,法律の委任を受けている場合にのみ,その効力が生じると解されています。
Q. 法令が不明確で犯罪に当たるかどうかよくわからないという場合はどうなるのでしょうか?
A. 罪刑法定主義は,法律によって犯罪と刑罰を明確にすることによって,国民にどのような行為が犯罪に該当するのかという行動の予測可能性を与えることに趣旨があるとされています。したがって,不明確な刑罰法規は,国民の行動予測可能性を満たさないため,無効となると解されています。これを,明確性の原則と呼んでいます。
Q. ある行為をした時点ではその行為が犯罪となるという法令はなかったのですが,その後にその行為が犯罪に当たるという法令が制定された場合でも,やはり刑罰を受けることになるのでしょうか?
A. 罪刑法定主義は,国民の予測可能性の観点から,あくまでもある行為の時点でその行為を犯罪とし,それに対して刑罰を科する法律が存在することを前提としています。したがって,原則として,当該行為の時点で,その行為を犯罪として刑罰を科する法令が存在しなければ,その後にその行為を罰する規定が設けられたとしても,それを遡及させてその行為を罰することはできません。これを,刑罰不遡及の原則といいます。
Q. 刑期をまったく決めないで刑罰を言い渡すことはできますか?
A. いいえ。刑期を決めない刑罰(絶対的不定期刑)は,罪刑法定主義に反し許されません。ただし,一定の幅をもたせて刑期を決める(たとえば,1年から3年といった決め方。これを「相対的不定期刑」といいます。)は許されると解されています。

捜査における基本原則とは?

Q. 刑事手続における最も重要なことは何でしょうか?
A. 刑事手続において最も重要な原則は,「疑わしきは罰せず」という原則です。この原則は,捜査・公判のすべての刑事手続を通じて妥当する最も重要な原則です。
Q. 捜査段階においても黙秘権は保障されるのでしょうか?
A. 捜査段階においては,黙秘権そのものは保障されませんが,それとほとんど同様の権利として,供述拒否権が保障されています。したがって,捜査段階でも,言いたくないことは言う必要がありませんし,または何も言わないことも許されます。
Q. 捜査段階においても,強制的捜査が当然に行われるのでしょうか?
A. いいえ。捜査段階においては,任意での捜査が原則とされています。これを「任意捜査の原則」といいます。強制捜査をするためには,裁判所による令状が必要とされます。
Q. 任意の捜査であれば,どのような捜査でも許されるのですか?
A. いいえ。任意捜査であっても,それをする必要性と相当性が必要となります。また,実質的に強制捜査に当たると認められる捜査は違法となります。
Q. 強制捜査については,何らかの原則はありますか?
A. はい。強制捜査は,任意捜査に比べて人権制約の程度が大きいため,人権保障の見地から,裁判所の審査が必要とされ,裁判所によって発付される令状が必要となります。これを「令状主義」といいます。
Q. 刑事手続においては,どのような身体の拘束を受けるのでしょうか?
A. 逮捕または勾留による身体拘束があります。
Q. 刑事手続における身体拘束にはどのような基本原則がありますか?
A. 逮捕または勾留による身体拘束についても,裁判所による司法審査を経て,裁判所による令状の発付が必要とされています。
Q. 刑事手続においては,個人の物が捜査機関によって自由に押収されてしまうのでしょうか?
A. いいえ。個人の物を捜索・押収するためには,裁判所による司法審査を経て,裁判所による令状の発付が必要とされています。

公判における基本原則とは?

Q. 公判において最も重要な原則とは何ですか?
A. 公判において最も重要な原則も,捜査と同じく,「疑わしきは罰せず」の原則です。
Q. 刑事裁判においては,被告人はどのような立証責任を負うのでしょうか?
A. 刑事裁判においては,犯罪事実についてはすべて検察官が立証責任を負います。したがって,被告人は原則として立証責任を負いません。ただし,情状に関する事実については,被告人が立証する必要があるでしょう。
Q. 黙秘権とは何ですか?
A. 黙秘権とは,自己の意思に反して供述を強要されない権利のことをいいます。その供述の内容が自分にとって利益か不利益かを問わず,意思に反する供述をしなくてもよいという権利です。ずっと黙っていることも許されます。
Q. 被告人には裁判を受ける権利が保障されているのでしょうか?
A. はい。被告人には,公平・迅速な裁判を受ける権利が保障されています。
Q. 公平な裁判所とはどのような裁判所のことをいうのですか?
A. 公平な裁判所とは,構成その他において偏頗のおそれのない裁判所のことをいいます。
Q. 迅速な裁判を受ける権利が侵害された場合,どのような効果が生じるのですか?
A. 迅速な裁判を受ける権利が侵害されたと認められる場合には,訴訟を打ち切る「免訴」の判決がなされます。
Q. 被告人の自白はどのような意味を持つのでしょうか?
A. 被告人の自白も証拠にはなります。しかし,自白獲得を目指すために人権を侵害する態様での取調べ等の捜査が行われ,それによって虚偽自白が誘発されるおそれがあります。そこで,刑事訴訟法上,自白については慎重な取扱いがなされています。具体的には,強制・拷問・脅迫による自白,不当に長く抑留・拘禁された後の自白や,任意性を欠く自白は証拠から排除されます。これを自白法則といいます。
Q. 伝聞法則とは何ですか?
A. 伝聞法則とは,公判廷外での供述を録取した書面などの伝聞証拠は原則として証拠とすることはできないとする基本原則です。供述には,知覚・記憶・表現・叙述の過程を経ていますが,このいずれの段階でも誤りが混入する可能性がありますから,供述証拠については,その内容の真実性を確かめるための反対尋問による吟味が必要です。この反対尋問による吟味のない伝聞証拠は,原則として証拠として認められないというというのが,伝聞法則の趣旨です。
Q. 一事不再理の原則とは何ですか?
A. 一事不再理の原則とは,いったん刑事裁判で確定した事件については,再度実体的な審理をすることは許されないとする基本原則です。

刑事手続の基本原則に関連するページ

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