なぜ刑事弁護をするのか?
一般的な疑問または批判に,「なぜ弁護士は犯罪者の弁護をするのか?」というものがあります。もちろん,弁護士も犯罪に賛同しているわけではありません。その最大の理由はやはり「冤罪の防止」にあります。
このページの以下では,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所が,なぜ刑事弁護をするのかについてご説明いたします。
なぜ刑事弁護をするのか?
(著者:弁護士 志賀 貴 )
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なぜ刑事弁護をするのかという意見
刑事弁護というと,一般的には,犯罪者を擁護する仕事というように捉えられているかもしれません。
橋下大阪府市長が,かつて,光市母子殺害事件の弁護団を懲戒するように呼びかけたという問題がありましたが,これは,そういう一般的な意見を代表したものだと思います。
もっとも,弁護士も市民です。当たり前のことですが,犯罪を擁護するという気持ちは持っていません。
弁護士になるくらいですから正義感の強い人が多いと思います。むしろ,犯罪を憎んでいるという人の方が多いと思います。
それならどうして刑事弁護などするのか,という意見があるでしょう。
>> 弁護士という職業
冤罪の防止
刑事弁護は誰かがやらなければならない重要な仕事です。なぜ弁護士は刑事弁護をするのかと問われると,もちろん理由はさまざまあります。しかし,最も重要な理念は,冤罪を防止するという点でしょう。
刑事弁護の基本理念は,「例え100人の犯罪者を野放しにしたとしても,1人の無辜の者を有罪としてはならない」というところにあります。
以前,検察官による証拠偽造事件がありました。国家権力犯罪者を作り出す危険性があるということが,一般にも理解されたと思います。
上記事件の場合,証拠偽造が発覚し,幸い未然に防止されましたが,国家権力がその気になれば,犯罪者を1人作り出すことなどさほど難しいことではないのです。
ここら辺の危機意識というものは,日常生活ではあまり意識しないことかと思います。しかし,現実にあり得る危険なのです。
それを防止するためには,1つ1つの刑事事件において,適正な捜査がなされているのか,適正な刑事手続が行われているのかを逐一チェックしておく必要があります。それが刑事弁護の役割なのです。
刑事弁護人の想い
前記の光市母子殺害事件の弁護団も,有罪の人間を無罪にしてやろう,という意識で弁護したわけではないでしょう。
ただ,法律上精神障害による心神喪失や心神耗弱の可能性があるから,裁判によってその点をはっきりさせようという意味で主張をしたというだけです。
弁護士としては,法律的な問題点があるという可能性がある以上,それを主張すべきです。嘘をつくという発想ではありません。裁判で白黒つけてもらおうという発想です。
刑事弁護というものは,おそらくそういうものだと思います。犯罪者を擁護しようとか,無理やりにでも無罪にしてやろうという考えで刑事弁護をする弁護士はほとんどいないと思います。
ちなみに,刑事弁護を多く経験している弁護士がこんなことを言っていました。
「どうせ被告人にはほとんど味方がいないのだから,せめて自分くらいは味方になってやろうという気持ちで刑事弁護をやっている。」と。それも,刑事弁護人のマインドなのかもしれません。
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