法曹(ほうそう)とは?
あまり一般的ではない用語ですが,「法曹(ほうそう)」という言葉があります。この法曹とは,通常,弁護士・検事・裁判官のことを指すと考えられています。
ここでは,この法曹とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。
(著者:弁護士 志賀 貴 )
法曹とは
「法曹(ほうそう)」という言葉は,あまり聞きなれない言葉かも知れません。
そもそもは,監獄の官吏を意味する言葉であったものが,後に法律を扱う官吏,つまりは裁判官や検察官を指す言葉として用いられるようになり,さらに,法律を扱う業務一般に用いられるようになったと言われています。
そのため,諸外国では,法律実務家全般だけでなく,法学者をも含む概念として用いられています。
もっとも,日本では,一般的に「法律実務家」うちでも特に,「弁護士」「検事」「裁判官」を指すものとして用いられています。そのため,この三者のことを「法曹三者」と呼ぶことがあります。
日本では,弁護士・検事・裁判官他にも,司法書士や社会保険労務士などさまざまな法律実務家職がありますが,諸外国では弁護士以外の法律実務職がないことや法曹一元がとられていることから,これらの実務家は「法曹」には含まれないものとするのが一般的でしょう。
また,法学者についても,日本では法曹とは区別されています。もっとも,法曹三者を「実務法曹」とし,法学者を「研究法曹」と呼ぶ場合もあるようです。
法曹三者の共通項
前記のとおり,弁護士・検事・裁判官のことを「法曹三者」と呼ぶ場合がありますが,この三者は,基本的に出自を同じくしています。
すなわち,司法試験に合格して司法修習を修了し,法律実務家としての資格を取得した者であるという共通項があるのです。
司法試験に合格すると「司法修習生」となることができ,司法研修所において「司法修習」と呼ばれる研修を受けることになります。
弁護士になる人も,検事になる人も,裁判官になる人も,みな一緒に研修を受けるのです。
この司法修習における最終考試(「2回試験」と呼ばれています。)に合格すると,司法修習を修了することができ,はれて各法曹資格を得ることができるようになります。
そして,それぞれが各法曹の職に就くことになります。
つまり,弁護士・検事・裁判官の法曹三者は,それぞれ立場こそ違いますが,同じ基本教育を受けているのです。
この司法試験・司法修習制度があることから,日本では,弁護士・検事・裁判官の三者のことを特に「法曹」と呼んで区別しているのです。
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