検察庁とはどのような組織なのか?
検察官・検察事務官を統括するための組織として,法務省の特別機関である「検察庁」が設けられています。
ここでは,この検察官・検察事務官を統括する検察庁とはどのような組織なのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。
(著者:弁護士 志賀 貴 )
検察官一体の原則
検察官は,その1人1人が検察権を行使する権限を有する独任制の官庁です。したがって,原則として独立した主体として行動します。
とはいえ,検察官それぞれの判断があまりにまちまちだと,一般市民としては大変困ります。もともと検察官は検察権というとてつもなく大きな権力を持っていますから,統率なく権力を行使されてしまっては危険です。
そこで,検察官全体の統一的な意思を統合し,適切な検察権行使を指導監督する組織が必要となります。
また,刑事事件と言っても大小あり,到底1人では扱いきれないような事件もあります。検察官同士が連携して大規模事件に当たるということのためにも組織化は必要です。
そのため,すべての検察官はいつでも一体のものとして活動しなければならないとされています。これを「検察官一体の原則」といいます。そして,その原則を実現するための官庁が,「検察庁」という組織なのです。
検察庁の役割
【検察庁法 第1条第1項】
検察庁は,検察官の行う事務を統括するところとする。
上記条文のとおり,検察庁は,検察官の行う事務を統括します。検察官の行う事務には,検察事務と検察行政事務とがあります。
検察事務とは,刑事事件について,犯罪を捜査し,公訴提起し,訴訟追行して判決を求め,判決に基づく執行を監督するなど,みなさんが検察官と聞いて思い描くような仕事のことです。
検察行政事務とは,検察事務以外の一般的な事務のことです。それこそ総務系の仕事や広報のような仕事など多岐にわたります。検察庁も組織である以上,こういう事務が必要であることは当然です。
そして,検察庁は上記のような事務を「統括」します。統括するとは,要するに,前記の検察官一体の原則に従って,事務を組織的に行うということです。
検察庁の役割
【検察庁法第1条第2項】
検察庁は,最高検察庁,高等検察庁,地方検察庁及び区検察庁とする。
検察庁には,「最高検察庁」,「高等検察庁」,「地方検察庁」及び「区検察庁」があります。
最高検察庁は,検事総長を長とし,最高裁判所に対応して東京に置かれています。文字どおり,検察庁組織の最高機関ということになります。日本に1つ設置されています。
高等検察庁は,検事長を長とし,高等裁判所に対応して設置されています。高等検察庁は,日本8カ所に設置されています。
地方検察庁は,検事正を長とし,地方裁判所・家庭裁判所に対応して設置されています。
そして,区検察庁は,上席検察官を長とし,簡易裁判所に対応して設置されています。
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