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法令解説

法的三段論法とは?

法規の適用において用いられる三段論法を「法的三段論法」と呼ぶことがあります。法的三段論法においては,大前提を法規・法令とし,小前提を具体的事実として,これらから法適用の結果を導き出していきます。

ここでは,法的三段論法とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明していきます。

なお,個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる各種法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページをご覧ください。

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三段論法とは?

論理学における推論の手法の1つに「三段論法」と呼ばれる方法があります。三段論法とは,大前提と小前提から結論を導き出す演繹的な推論の方法です。

上記のとおり,三段論法は,大前提・小前提・結論という3つの命題から構成されます。三段論法の例としては,以下のものがよく挙げられています。

  • 大前提:すべての人間は死すべきものである。
  • 小前提:ソクラテスは人間である。
  • 結論:ゆえにソクラテスは死すべきものである

法的三段論法とは?

三段論法による推認は,法規の適用においても用いられます。法規の適用において用いられる三段論法を「法的三段論法」などと呼ぶこともあります。

法的三段論法も,大前提・小前提から結論を演繹的に導き出すことは変わりません。そして,法的三段論法における大前提・小前提は,以下のものに置き換えられることになります。

  • 大前提:法規(条文・条文解釈により定立される規範等)
  • 小前提:具体的事実
  • 結論:法適用の結果

すなわち,法的三段論法とは,大前提たる法規と小前提たる具体的事実から法の適用に関する結果を導き出す推論方法ということになります。

例えば,以下の例が挙げられます。

  • 大前提:人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する(刑法199条)。
  • 小前提:AはBを殺した。
  • 結論:Aは,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処せられる。

大前提:法規

法的三段論法における大前提は,法規・法令です。より具体的にいえば法令の条文ということになります。

ただし,法令の条文,特に法律の条文は抽象的に規定されています。その場合,条文の文言だけでは意味内容が明確でなく,大前提とすることができないということが生じます。

そこで,抽象的な条文の文言の意味内容を具体的に明らかにして,その定義・規範を定立する作業が必要となります。それが「法解釈」です。法的三段論法における大前提には,法解釈が伴う場合があるのです。

したがって,法的三段論法における大前提とは,法律の条文およびその解釈によって定立された定義や規範ということです。

小前提:具体的事実

法的三段論法における小前提は,具体的事実です。抽象的な事実ではなく,現実世界に起こっている具体的な事実が小前提となります。

前記の刑法199条の例で言えば,人が人を殺したという抽象的事実ではなく,Aという人がBという人を殺したという具体的な事実が小前提となるということです。

ところで,現実においては事実は真実であり,その事実は1つしかないはずで。しかし,裁判の時点では,問題となる事実は,すでに過去の事実となっています。

過去に戻ることができない以上,その具体的事実が発生した現場に立ち会っていない裁判官が,その事実が本当にあったといえるのかどうかを確認することはできません。

そこで,当該具体的事実の存否は,その存否を指し示す証拠によって推論して認定するほかないということになります。この,具体的事実を証拠等によって推認する作業を「事実認定」といいます。

したがって,実際の裁判では,事実認定により存在すると判断された具体的事実が,法的三段論法における小前提となるのです。

結論:法適用の結果

法的三段論法における結論とは,前記大前提たる法規・法令と小前提たる具体的事実から推論される法適用の結果です。

大前提たる法規・法令に小前提たる具体的事実を当てはめた場合に,どのような結果が生じるのかということです。

前記刑法199条の例でいうと,「人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」という刑法199条の条文に,「AがBを殺した」という具体的事実を当てはめることにより,「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」という同条の法律効果が,「B」という「人」を「殺した者」である「A」に対して発生した,という結果が導かれています。

実際の裁判等における法的三段論法的思考

実際の紛争を解決する場合にも,法的三段論法的な思考が必要となってきます。

ただし,実際の紛争を解決する場合には,まずはどのような解決が可能なのかを考える必要があります。つまり,法的三段論法で言えば,一番最後の命題である「結論」から考えていくことになります。

法的解決のための結論を発見したならば,その結論を導き出すための大前提と小前提があるのかどうかを考えます。

結論とは,紛争解決のために有利になる何らかの法律効果が発生(または変更・消滅)するのかどうかということですから,そのような法律効果を生じる法令およびその法律効果を生じさせるための法律要件が大前提となり,その法律要件に該当する具体的事実が小前提となります。

各種の法規やそれに規定されている法律効果を知らなければ,どのような解決方法があるのかも発見できませんし,法規に規定されている法律要件を知らなければどのような具体的事実が必要となるのかも分かりませんから,実際には,結論からさかのぼってひとつひとつの命題を順番に考えているというわけではありません。

しかし,紛争解決のためには,まず結論から考えるという発想は必要でしょう。

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