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法令解説【身元保証ニ関スル法律】

身元保証契約を解除できるか?

企業に入社する際,企業側が従業員に対して身元保証人をつけるよう求めることがあります。

何も起きなければ問題はありませんが,場合によっては,身元保証人が過大な責任を負わなければならなくなる場合もあり得ます。

そのため,身元保証契約については,通常の保証契約等とは異なる特別の契約解除が認められています。

ここでは,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所が,この身元保証契約を解除することはできるのかについてご説明いたします。

なお,身元保証ニ関スル法律以外の個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる各種法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページをご覧ください。

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身元保証人の責任

企業に入社する際,企業・使用者(雇い主)が被用者(従業員)に対して,身元保証人を付けることを求める場合があります。

身元保証人をつけるということは,法的にいえば,使用者と身元保証人との間で身元保証契約を締結するということです。

身元保証契約が締結されると,身元保証人は,将来,被用者の故意または過失によって使用者に生じた場合に,その損害を賠償する責任を負担することになります。

身元保証ニ関スル法律(身元保証法)は,身元保証人に過大な負担が生じるのを防ぐため,身元保証人が負うべき責任の範囲を制限しており,また,実際の裁判例でも,使用者側の過失等を考慮して,責任の範囲を制限する方向で判断がされるのが通常です。

とはいえ,それでも,軽微ではない責任を負担しなければならない事態が生じる可能性がないとはいえません。

そこで,身元保証法は,身元保証人に特別の契約解除権を認めています。

>> 身元保証人の責任とは?

身元保証契約における解除権

身元保証ニ関スル法律

第3条

使用者ハ左ノ場合ニ於テハ遅滞ナク身元保証人ニ通知スベシ

一 被用者ニ業務上不適任又ハ不誠実ナル事跡アリテ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ惹起スル虞アルコトヲ知リタルトキ

二 被用者ノ任務又ハ任地ヲ変更シ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ加重シ又ハ其ノ監督ヲ困難ナラシムルトキ

第4条

身元保証人前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ将来ニ向テ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得身元保証人自ラ前条第一号及第二号ノ事実アリタルコトヲ知リタルトキ亦同ジ

身元保証人の責任拡大を防ぐため,身元保証法3条は,以下の場合,使用者は身元保証人にそのことを通知しなければならないとしています。

  • 被用者に業務上不適任または不誠実な事跡があるため,身元保証人の責任が発生する可能性があることを知った場合
  • 被用者の任務または任地を変更したため,身元保証人の責任が加重され,または身元保証人による被用者の監督が困難になってしまう場合

そして,身元保証法4条は,3条に基づく使用者からの通知を受けた場合,身元保証人は,身元保証契約を将来に向けて解除することができると定めています。

また,使用者が身元保証法3条の通知をしてくれなかった場合でも,身元保証人が,3条に定められている事実が発生したことを知っていれば,やはり4条に基づく解除ができるとされています。

身元保証人は,この身元保証法4条に基づく契約解除が可能とされているのです。

ただし,あくまで契約の解除です。何もせずに当然に契約がなくなるわけではありません。通知を受け取った後,使用者に対して,契約を解除する旨の意思表示をしておく必要があります。

契約解除の意思表示は,口頭でも可能ですが,万が一の場合に備えて,配達証明付きの内容証明郵便によって契約解除通知書を郵送しておいた方が無難でしょう。

なお,上記のほか,身元保証人と使用者との間で,合意によって身元保証契約を解除(合意解除)することは,もちろん可能です。

>> 契約の解除とは?

身元保証契約解除の効果

前記のとおり,身元保証契約は,身元保証法4条によって解除することが可能です。契約が解除されると,その契約は無かったことになり,損害賠償等の責任を負担しなくてよくなります。

もっとも,通常の契約の場合と異なり,身元保証契約の解除の効力は,将来に向かって生じます。つまり,解除より前には,契約がなかったことにはなりません。

したがって,身元保証契約解除より前の時点で,被用者の故意・過失行為によって使用者に損害が発生していた場合には,身元保証人も損害賠償等の責任を負わなければならないということです。

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