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法令解説【身元保証ニ関スル法律】

身元保証人の責任は相続されるのか?

会社・企業に入社する際に身元保証人が付けられる場合があります。

この身元保証人は,当該従業員等が使用者に与えた損害の賠償責任について保証することになりますが,この身元保証人が死亡した場合,その相続人が身元保証責任を相続して負担することになるのでしょうか?

ここでは,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所が,この身元保証人の責任が相続されるのかについてご説明いたします。

身元保証人の責任は相続されるのか?

なお,身元保証ニ関スル法律以外の個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる各種法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページをご覧ください。

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遺産相続の原則

ある方が亡くなられると,その方の遺した財産(相続財産)は,その方の相続人に包括的に承継されることになります。

包括的に承継されるとは,つまり,相続人がその亡くなられた方(被相続人)の地位や財産をそのまま受け継ぐということです。

この受け継ぐことになる財産には,プラスの財産(資産)だけでなく,マイナスの財産(負債)も含まれます。

したがって,被相続人が保証人や連帯保証人になっていた場合,相続人は,その保証人や連帯保証人の地位も引き継ぐことになります。つまり,相続人の方が,保証人や連帯保証人となるということです。

それでは,相続人は身元保証人の地位や債務も引き継がなければならないのでしょうか?

身元保証人の責任については,「身元保証ニ関スル法律」によって規律がなされていますが,この法律にも身元保証人の相続の問題については規定がないため,解釈上の問題が生じてくるのです。

なお,この場合,2つの問題があることに注意が必要です。

すなわち,1つは,身元保証人という地位自体を受け継ぐのかどうかという問題と,身元保証人であった被相続人の生前にすでに具体的に発生していた身元保証債務を受け継ぐのかという問題は別であるということです。

>> 身元保証ニ関スル法律とは?

身元保証人の地位の相続

まず,第一の問題,身元保証人の地位も相続しなければならないのか,という問題は非常に大きな問題となることがあります。

というのも,身元保証人が負担するのは,当該従業員等が会社・使用者に与えた損害の一切ですから,保証の範囲が著しく拡大するおそれがあり,相続人は身元保証人の地位を引き継ぐことで大きな損失を受ける可能性が生ずるからです。

自ら身元保証人となり,その責任を負担することをある程度覚悟していた被相続人であればまだしも,そうでない相続人が身元保証人の地位まで引き継ぐというのは,相続人に酷な場合があります。

そこで,身元保証人の地位は,相続人に引き継がれないというのが判例・通説とされています。

古い判例ですが,大審院昭和2年7月4日判決でも,身元保証人の地位は,被相続人の一身に専属する地位であり,特段の事情のない限り,相続人に引き継がれないとしています。

一身専属とは,つまり,被相続人その人だけに属するものであるということです。このような一身専属的な権利や義務は相続財産に含まれないとされています(民法896条ただし書き)。

したがって,身元保証人の地位が一身専属的なものであるということは,それは相続財産に含まれないことになるため,相続人に相続されることはないというのです。

もっとも,上記判決によると,特段の事情がある場合には,身元保証人の地位も相続されることになります。

しかし,この「特段の事情」とは,例えば,相続人が身元保証人となることに同意している場合などに限定されるでしょう。

>> 身元保証人の責任とは?

身元保証債務の相続

前記のとおり,身元保証人の地位は原則として相続されませんが,第2の問題,すなわち,被相続人の生前にすでに具体的に発生していた身元保証債務を相続するかどうかは別です。

これについては,すでに具体的な金銭債務として発生している以上,それは相続財産に含まれる,つまり,相続されると解するのが通説です。争いはほとんどないと言ってよいでしょう。

大審院昭和10年11月29日判決も,同様に解しています。

身元保証人の責任の相続に関連する記事

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