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離婚問題

離婚請求の手続に関するよくあるご質問・Q&A

離婚をする場合には,基本的には,夫婦間の協議において決することになります。

しかし,常に協議だけで解決するとは限りません。感情的になってしまい,冷静に話し合いをすることさえできないこともあるかもしれません。

夫婦間の協議で解決できない場合には,裁判所の手続を利用して解決を図ることになります。離婚事件を解決するための裁判手続としては,離婚調停・審判および離婚訴訟があります。

ここでは,この離婚請求の手続に関するよくあるご質問について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所が,Q&A形式で詳しくお答えします。

離婚請求の手続に関するよくあるご質問・Q&A

なお,離婚相談をご希望の方は,弁護士による離婚問題(全般)の法律相談をご覧ください。

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離婚請求手続

Q. 離婚を請求する場合にはどのような手続をとればよいのでしょうか?
A. 離婚を請求する場合には,相手方と離婚について合意するか,または,離婚を認める裁判(審判または判決)が確定した上で,市区町村役場に離婚を届け出る必要があります。
Q. 離婚の裁判手続にはどのような手続があるのでしょうか?
A. 離婚請求の裁判手続には,家事調停(離婚調停),家事審判(離婚審判),人事訴訟(離婚訴訟)があります。

離婚協議(協議離婚)

Q. 離婚を請求する場合,協議をせずに裁判にすることはできますか?
A. 離婚を請求する場合,まずは夫婦間で協議をするのが通常でしょうが,だからといって,協議をしなければ裁判手続を利用できないというわけではありません。ただし,離婚訴訟をするには,まず離婚調停を経ていなければならないとされていますので,協議をせずに調停をすることは可能ですが,訴訟を提起することはできません。
Q. 夫婦間での離婚協議には,決まった方式などがあるのでしょうか?
A. いいえ。離婚の協議には決まった方式はありません。
Q. 離婚の話がまとまった場合,何をすればよいですか?
A. 離婚の話がまとまった場合,後に言った言わないの紛争の蒸し返しが生じないように,合意の内容を離婚協議書のような形で書面に残しておくべきでしょう。その上で,夫婦双方の署名押印をした離婚届を市区町村役場に対して提出することになります。
Q. 離婚協議書を公正証書で作成することはできますか?
A. はい。離婚協議書は公正証書で作成することも可能です。
Q. 離婚協議書を公正証書で作成するメリットは何ですか?
A. 離婚協議書を公正証書で作成しておくと,その離婚協議公正証書のうちの金銭支払いに関する部分は債務名義になります。債務名義であるため,仮に相手方が離婚協議公正証書で定められた金銭支払いの約束を履行をしなかった場合,即座に強制執行をすることができます。
Q. 離婚届は夫婦そろって市町村役場に出向かなければ提出できないのですか?
A. いいえ。離婚届は必ずしも夫婦双方が市区町村役場に赴かなければ提出できないものではありません。夫婦双方による署名捺印のある離婚届であれば,夫婦の一方による提出も可能です。また,郵送による提出も可能とされています。
Q. 離婚届はどこに提出すればよいのでしょうか?
A. 離婚届は,原則として,届出人の本籍地または所在地の市役所・区役所・町村役場に提出する必要があります。ただし,所在地であればよいとされているので,実際には,本籍地や住所地の市区町村役場でなくても,届出を受理されることがあります。ただし,本籍地以外の市区町村役場に提出する場合には,戸籍謄本も併せて提出しなければならないとされています。
Q. 本籍地でない市区町村役場に離婚届を提出することもできるのでしょうか?
A. 前記のとおり,届出人の「所在地」の市区町村に提出するものとされているので,実際には,本籍地や住所地の市区町村役場でなくても,届出を受理されることがあります。ただし,本籍地以外の市区町村役場に提出する場合には,戸籍謄本も併せて提出しなければならないとされています。
Q. 相手方が勝手に私の印鑑を利用して離婚届を提出してしまうおそれがあります。何か方法はありませんか?
A. 無断で離婚届が提出される恐れがある場合などに備え,あらかじめ離婚届を受理しないように市区町村役場に申し出ることにより,最長で6か月の間は離婚届を受理しない扱いとする「不受理申出制度」があります。

離婚調停(調停離婚)

Q. 離婚を請求する場合,協議をせずに調停を申し立てることはできますか?
A. 前記のとおり,離婚を請求する場合,夫婦間での協議をせずに調停を申し立てることは可能です。もっとも,まず協議を試みて,相手方が協議に応じない場合や協議がまとまらなかった場合に調停を申し立てるのが一般的ではあるでしょう。
Q. 離婚を請求する場合,調停をせずに審判や訴訟にすることはできますか?
A. いいえ。審判はそもそも裁判所が職権で決めるものですので,当事者が申し立てることはできません。また,離婚請求事件は,訴訟をする前に必ず調停をしなければならないとされています(調停前置主義)。したがって,離婚を請求する場合,調停をせずに審判や訴訟にすることはできません。
Q. 離婚調停とはどのような手続ですか?
A. 離婚調停は,家事調停手続の一種です。正式には夫婦関係調整調停と呼ばれています。家事調停は,家庭裁判所が選任した家事調停委員(または裁判官)が当事者である夫婦の間に入って両者の話し合いを取りまとめていくという裁判手続です。離婚請求についての家事調停手続が,離婚調停です。なお,離婚を請求する側が申し立てる場合の夫婦関係調整調停を離婚調停といい,離婚を請求されている側が申し立てる場合の夫婦関係調整調停を円満調停といいます。
Q. 離婚調停をするためには,何をすればよいでしょうか?
A. 離婚調停をするためには,管轄の家庭裁判所に,夫婦関係調整調停を申し立てる必要があります。具体的には,申立書と呼ばれる書面を提出して申立てをすることになります。
Q. 離婚調停の申立書はどこの裁判所に提出すればよいのですか?
A. 離婚調停の申立書は,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。ただし,当事者間で管轄について合意がある場合には,その合意された家庭裁判所に申立てをすることもできます。
Q. 離婚調停の手続はどのように進むのでしょうか?
A. 離婚調停は申立てによってはじまります。申立てが家庭裁判所によって受理されると,家庭裁判所から両当事者に対して第1回目の調停期日の連絡と呼出しがなされます。調停期日においては,両当事者同席のもとで調停委員または裁判官から手続の説明がなされます。その後,各当事者が入れ替わりで調停委員と話をし,それをもとに調停委員が妥協点を探るなどして話をまとめていくことになります。1回で話がまとまらなければ,2回,3回・・・と調停期日が重ねられていくことになります。
Q. 離婚調停では,相手方と直接話をしなければならないのですか?
A. いいえ。離婚調停においては,各当事者がそれぞれ入れ替わりで調停委員(または裁判官)と話をすることになります。したがって,相手方と直接話をしなければならないわけではありません。
Q. 離婚調停はどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
A. 離婚調停は話し合いですので,決まった期間があるわけではありません。ケースバイケースというほかないでしょう。ただし,話がつくまで終わらないというわけではなく,ある程度期日を重ねても話がつかない場合には,調停不成立(不調)により終了します。1年以上かかるという場合も珍しくはありません。
Q. 調停で話がまとまった場合,手続はどうなりますか?
A. 離婚調停において夫婦間で話がまとまった場合には,裁判所書記官によって,合意内容・条件を定めた調停調書が作成されます。
Q. 調停調書が作成されれば離婚届は提出しなくてもよいのですか?
A. いいえ。調停がまとまり調停調書が作成されたとしても,離婚届の提出は必要です。ただし,離婚届に夫婦双方の署名捺印は不要です。調停調書で定めた届出をすべき義務者の署名捺印だけで足ります。その離婚届と調停調書を市区町村役場に提出することになります。ただし,調停成立後の離婚届は,調停成立日から数えて10日以内に届出をしなければならないとされています。
Q. 調停でも話がまとまらなかった場合,手続はどうなりますか?
A. 離婚調停においても話がまとまらなかった場合,調停は不成立(不調)となり,終了します。
Q. 相手方が調停に出席してこなかった場合,手続はどうなりますか?
A. 相手方が離婚調停に出席しなかった場合,調停は不成立(不調)となり,終了します。

離婚審判(審判離婚)

Q. 離婚審判とはどのような手続ですか?
A. 離婚審判とは,家庭裁判所による調停に代わる審判のことです。家庭裁判所は,調停において話がつかないものの,離婚を成立させるのが相当であると判断したときは,調停委員の意見を聴いて,職権で調停に代わる審判をすることができます。離婚審判手続においては,話し合いではなく,裁判官が,当事者から提出された主張・立証をもとにして,離婚に関する審判を下すことになります。
Q. 離婚を請求する場合,調停をせずに審判を申し立てることはできますか?
A. いいえ。離婚審判を行うか否かは,裁判所が職権で決めるものです。したがって,当事者が審判を申し立てることはできません。
Q. 離婚審判はどのような場合に行われるのでしょうか?
A. 離婚審判が行われることはあまり多くありません。調停において話がつかないものの,夫婦ともに離婚には同意しており,離婚の条件についてわずかな齟齬があるような場合や,話がまとまらない原因が専ら親権の問題であるなど裁判所による判断によって条件闘争が収束できる可能性がある場合のように,裁判所が調停に引き続いて判断を下すことによってすみやかに解決が導ける可能性がある場合に,審判が選択されることがあります。
Q. 審判に不服がある場合には,どうすればよいですか?
A. 離婚審判に不服がある当事者は,審判日から2週間を経過するまでの間は,当該家庭裁判所に対して異議を申し立てることができます。異議が申し立てられると,その審判は無効となります。
Q. 調停でも話が付かなかった場合には,審判と訴訟のどちらを選択すればよいのでしょうか?
A. 前記のとおり,審判は当事者が申し立てるものではありません。したがって,調停に引き続いて審判が開かれない場合には,訴訟を提起することになります。

離婚訴訟(裁判離婚)

Q. 離婚調停でも話が付かなかった場合,何をすればよいのでしょうか?
A. 離婚調停においても話が付かなかった場合,家庭裁判所の職権で離婚審判が開かれることがありますが,離婚審判が開かれず調停が不成立(不調)になってしまった場合には,家庭裁判所に対し,離婚訴訟を提起することになります。※なお,時期をおいて再協議・再度調停申立てをすることも可能です。
Q. 離婚を請求する場合,調停をせずに訴訟を提起することはできますか?
A. いいえ。離婚請求事件は,訴訟をする前に必ず調停をしなければならないとされています(調停前置主義)。したがって,離婚を請求する場合,調停をせずに訴訟を提起することはできません。
Q. 離婚訴訟とはどのような手続ですか?
A. 夫婦や親子等の関係についての争いを解決する訴訟のことを人事訴訟といいますが,離婚訴訟もこの人事訴訟の1つです。人事訴訟は,通常の民事訴訟と異なり家庭裁判所において行われますが,手続としては通常の民事訴訟とほとんど同じです。両当事者が事実を主張してそれを証拠によって立証し,その当事者による主張・立証に基づいて,裁判所が判決を下すという裁判手続です。
Q. 離婚訴訟をするためには,まず何をすればよいのでしょうか?
A. 離婚訴訟をするためには,管轄の家庭裁判所に離婚の訴えを提起する必要があります。離婚の訴え提起は,管轄の家庭裁判所に訴状を提出して行います。
Q. 離婚訴訟の訴状は,どこの裁判所に提出すればよいのですか?
A. 離婚訴訟の訴状は,夫または妻の住所地を管轄する家庭裁判所に提出する必要があります。ただし,夫または妻の住所地を管轄する家庭裁判所ではなくても,当該離婚に関する離婚調停を行っていた家庭裁判所であれば,訴状が受理されることがあります。
Q. 離婚訴訟はどのように進むのでしょうか?
A. 訴状を提出してそれが家庭裁判所によって受理されると,第1回の口頭弁論期日が指定されるとともに,訴状は相手方(被告)に送達され,また当事者に期日への呼び出しがなされます。相手方は第1回期日までに答弁書を提出します。第1回期日以降は,第2回,第3回・・・と期日が続行され,両当事者から追加の主張や書面等による立証が行われていき,それらが出そろったところで,当事者・証人の尋問が行われます。そして,最終的に,それら主張・立証に基づいて,家庭裁判所が判決を下すことになります。
Q. 離婚訴訟中に話し合いをすることはありますか?
A. はい。離婚訴訟であっても,手続中に話し合いの機会がもたれることは頻繁にあります。話がついた場合には,裁判所によって和解調書が作成されます。この和解調書は,確定判決と同等の効力を持っています。
Q. 裁判所の判決に不服がある場合には,どうすればよいですか?
A. 家庭裁判所の判決に不服がある場合,不服がある当事者は,判決書の送達日から2週間以内に,当該家庭裁判所に対して控訴することができます。控訴されると,事件は高等裁判所に移行し,そこで審理が行われ,最終的には判決が下されることになります。高等裁判所の判決に不服がある場合も,判決書の送達日から2週間以内に,当該高等裁判所に対して控訴することができ,事件は最高裁判所に移行します。なお,最高裁判所の判決には不服を申し立てることができません。
Q. 裁判所の判決はどの時点で確定するのでしょうか?
A. いずれの当事者からも不服申し立てがなされないまま,判決書の送達日から2週間を経過すると,その判決は確定します。なお,最高裁判所の判決は判決言い渡しと同時に確定します。
Q. 離婚を認める判決が確定すれば,離婚届を提出しなくてもよいのですか?
A. いいえ。離婚訴訟の判決が確定した場合でも,離婚届の提出は必要です。ただし,離婚届に夫婦双方の署名捺印は不要です。原告の署名捺印だけで足ります。その離婚届と判決書を市区町村役場に提出することになります。ただし,判決確定後の離婚届は,判決確定日から数えて10日以内に届出をしなければならないとされています。
Q. 離婚を認めない判決が確定してしまうと,もはや一生離婚できないのでしょうか?
A. いいえ。事情の変更があれば,再度,離婚調停を申立て,その調停が不成立となれば訴訟提起をすることができます。

離婚請求の手続に関連するページ

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