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労働者の労働問題の基礎知識

別居手当は除外賃金に該当するのか?

残業代などの割増賃金の計算における基礎賃金から除外される除外賃金の1つとして「別居手当」が挙げられています。ここでは,除外賃金となる別居手当について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

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賃金となる別居手当

給料が支払われる場合に,会社・使用者から「別居手当」「単身赴任手当」といった名目で金銭が給付されることがあります。

この別居手当は,労働基準法37条5項及び労働基準法施行規則第21条において,残業代などの割増賃金の計算における基礎となる賃金(基礎賃金)から除外されると規定されています。

つまり,割増賃金を計算する際に,別居手当の金額を基礎賃金に含めてはいけないということです。

もちろん,名目が「別居「手当」であれば何でも除外賃金となるというわけではありません。

もっとも,どのような別居手当が除外賃金となるのかということを考える前に,そもそも別居手当が賃金に当たるのかということを考えておく必要があるでしょう。

そもそも賃金でないのであれば,当然,基礎賃金に含めることができないので,除外賃金かどうかなど考える必要が無いからです。

この点,別居手当は,使用者の都合によって労働者の勤務先を変更したために支払われることになるのが通常でしょう。

それによる労働者の負担を軽減して,労務提供を確保するというものですから,労働の対価性があり,就業規則や労働契約などで支払額や支払基準が明確に定められている場合であれば,賃金に当たるというべきです。

もっとも,使用者の好意で支払ってもらっているといような,あくまで恩給的に支給されているにすぎないような場合であれば,賃金には該当しないということになります。

>> 賃金該当性の問題とは?

除外賃金となる別居手当

前記のとおり,別居手当や単身赴任手当であっても,就業規則等で支払額や支払基準が明確に定められている場合であれば,賃金に該当します。

したがって,その場合には,次に,その賃金に当たる別居手当等が除外賃金となるのかということが問題となってきます。

ここでいう除外賃金となる別居手当とは,通勤・勤務の都合により,同一世帯の扶養家族と別居を余儀なくされる労働者に対して、世帯が二分されることによる生活費の増加を補うために支給される給付のことをいいます。

具体的に言うと,単身赴任の場合などが挙げられます。いわゆる,「単身赴任手当」などがその代表的な例でしょう。

上記のような勤務・通勤の都合による給付でないもの,例えば,夫婦関係の悪化などによる別居の場合にはどうなるのかということが問題となります。

上記のとおり,除外賃金となるのは「通勤の都合」による別居の場合に支払われる手当ですから,夫婦関係悪化による別居によって支払われる手当は,除外賃金には当たらないということになります。

ただし,夫婦関係悪化による別居のような場合には,そもそも別居手当は支払われないのが通常でしょう。

仮に支払われたとしても,恩給であり,賃金に当たらないという場合がほとんどでしょうから,あまり問題となることはないと思われます。

>> 除外賃金とは?

別居手当が賃金から除外される場合(まとめ)

別居手当等が,残業代などの割増賃金計算における基礎賃金から除外される場合をまとめると,以下のとおりとなります。

  • 恩給として支払われているにすぎない(賃金に当たらない)場合
  • 通勤の都合により同一世帯の扶養家族と別居を余儀なくされる労働者に対して、世帯が二分されることによる生活費の増加を補うために支給されるものである場合

>> 割増賃金の計算の手順とは?

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