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労働者の労働問題の基礎知識

通勤手当は除外賃金に該当するのか?

残業代などの割増賃金の計算における基礎賃金から除外される除外賃金の1つとして「通勤手当」が挙げられています。ここでは,通勤手当は除外賃金となるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

なお,労働事件・雇用問題に関するご相談は,弁護士による労働事件・雇用問題の法律相談をご覧ください。

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賃金となる通勤手当

給料が支払われる場合に,会社・使用者から交通費など「通勤手当」といった名目で金銭が給付されることがあります。

この通勤手当は,労働基準法37条5項において,残業代などの割増賃金の計算における基礎となる賃金(基礎賃金)から除外されると規定されています。

つまり,割増賃金を計算する際に,通勤手当の金額を基礎賃金に含めてはいけないということです。

もちろん,名目が「通勤手当」であれば何でも除外賃金となるというわけではありません。

もっとも,どのような通勤手当が除外賃金となるのかということを考える前に,そもそも通勤手当が賃金に当たるのかということを考えておく必要があるでしょう。

そもそも賃金でないのであれば,当然,基礎賃金に含めることができないので,除外賃金かどうかなど考える必要が無いからです。

この点については,基本的には,通勤手当は実費弁償的な要素が強く,賃金とは認められないという場合もあり得るでしょう。

もっとも,通勤手当であっても,就業規則労働契約などで支払額や支払基準が明確に定められている場合には,労働の対価として使用者に支払い義務のある金銭ということになり,したがって,賃金に当たると考えることができます。

>> 通勤交通費は賃金に当たるか?

除外賃金となる家族手当・配偶者手当等

前記のとおり,通勤手当であっても,就業規則等で支払額や支払基準が明確に定められている場合であれば,賃金に該当します。

したがって,その場合には,次に,その賃金に当たる通勤手当等が除外賃金となるのかということが問題となってきます。

先ほども言いましたが,「通勤手当」という名目で支払われているものであれば,何でも除外賃金となってしまうわけではありません。

除外賃金となる通勤手当とは,「労働者が職場まで通勤する距離に応じて定められる金銭あるいはその交通費実費」をいうとされています。

つまり,通勤の距離や定期代などの金額に応じて決められるものでなければ,除外賃金とはならないということです。

したがって,たとえば,定期代が2万円かかるAさんには2万円,定期代が1万円かかるのBさんには1万円,交通費がかからないCさんには支給しない,というように通勤距離や交通費の金額によって異なる金額が支払われる通勤手当は除外賃金に当たるということになります。

他方,AさんにもBさんにもCさんにも一律に1万円ずつ支給するというように,通勤の距離や交通費の金額に関係なく,労働者全体に一律に支払われるようなものは,ここでいう除外賃金となる通勤手当には含まれないということになります。

>> 除外賃金とは?

通勤手当が基礎賃金から除外される場合(まとめ)

通勤手当等が,残業代などの割増賃金計算における基礎賃金から除外される場合をまとめると,以下のとおりとなります。

  • 福利厚生として支払われているにすぎない(賃金に当たらない)場合
  • 労働者が職場まで通勤する距離に応じて定められる金銭あるいはその交通費実費である場合

>> 割増賃金の計算の手順とは?

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