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労働事件・雇用問題(労働者側)

労働事件の解決に利用できる裁判手続とは?

労働事件を解決するための手段として,さまざまな裁判手続が用意されています。ここでは,労働事件の解決に利用できる裁判外の紛争解決手続について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。

なお,労働事件・雇用問題に関するご相談は,弁護士による労働事件・雇用問題の法律相談をご覧ください。

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労働事件の裁判手続

労働事件は,労使間での話し合いによる解決に向いている事件類型であるといわれています。実際,話し合いで解決する場合も少なくありません。

しかし,すべての労働事件が,必ずしも話し合いによって解決するというわけではありません。その場合には,解決のために,裁判手続を利用しなければならないという場合があります。

労働事件の裁判手続としては,労働訴訟,労働審判,労働調停などの手続が考えられます。また,これに付随する手続として,証拠保全手続,民事保全手続,民事執行手続が利用される場合もあります。

労働訴訟の利用

裁判所を利用した労働事件解決の方法として最もポピュラーなものが,この労働訴訟かと思います。

労働訴訟という特別な訴訟手続があるというわけではありません。あくまで訴訟自体は,他の事件の訴訟と同様です。ただ扱う事件が労働事件であるということです。

もっとも,労働事件は専門性の高い事件類型です。そのため,東京地方裁判所本庁などの大規模庁では,労働事件を専門に扱う部署が設けられています。

東京地裁本庁では,民事第11部,第19部,第33部,第36部が労働事件を専門に扱う部署です。一般的に「労働部」と呼ばれています。

この訴訟手続においては,労使各当事者がそれぞれ主張をし,その主張を裏付ける証拠を提出して立証します。そして,裁判所が,当事者の主張・立証をもとに,判決という終局的な判断をすることになります。

ただし,労働訴訟においても,随時話し合いは試みられます。

労働事件の場合には,前記のとおり,話し合いによる解決が望ましいとされていることから,大半の事件は,判決の前に和解によって解決することになるでしょう。

訴訟では,判決によって裁判所の終局的判断がなされるため,紛争を完全に解決することができます。訴訟中での和解も,確定判決と同じ効力持っているとされていますから,やはり終局的な解決が可能となります。

しかい,訴訟は,費用や手間がかかることは間違いありません。また,訴訟の場合,かなりの時間を要することがあります。1年以上の時間がかかることも珍しくはありません。

訴訟をするに当たっては,やはり専門家である弁護士のアドバイスや援助が必要となってくるでしょう。

>> 労働訴訟とは?

労働審判の利用

「労働審判」は,比較的新しい裁判手続です。

具体的には,労使当事者の話し合いを基本としつつも,話し合いがつかなかった場合には,当事者の主張・立証や話し合いの経過をもとに,裁判所が労働審判という終局的判断を下す裁判手続です。

労働審判においては,当事者間での話し合いが基本とされます。その点からみると,労働調停に近い裁判手続といえます。

もっとも,話し合いがつかない場合には,上記のとおり,当事者の主張・立証に基づいて裁判所が判断を下すので,その点では,訴訟に近いともいえます。

つまり,労働審判は,労働調停のように話し合いによる柔軟な解決の可能性も残しながら,労働訴訟のように裁判所による終局的判断もなされるという,言ってみれば,労働訴訟と調停の中間的な裁判手続といえるでしょう。

この労働審判は,原則として,3回の期日で終了させなければならないことになっています。そのため,労働訴訟に比べれば,はるかに短期間で解決できる可能性があります。

しかも,訴訟のように硬直的な判断だけでなく,事案に応じた柔軟な解決が可能となるというメリットがあります。

もっとも,労働審判は,3回の期日で終了させなければならないことから,あまり複雑な事件は扱うことができないという制限があります。

また,労働審判に対しては異議を出すことができます。異議が出されると訴訟に移行するため,場合によっては,はじめから訴訟を提起していた方が解決が早かったということになる場合もあり得ます。

どのような場合に労働審判を利用した方がよいかについては,個々の事案によって異なるといえます。

>> 労働審判とは?

労働調停の利用

民事調停とは,裁判所が選任した調停委員(場合によっては裁判官)が当事者の間に入って,当事者間の話し合いを調整するという裁判手続です。

この民事調停では,労働事件も扱うことができます。労働調停という特別な調停があるわけではありませんが,労働事件に関する民事調停のことを「労働調停」と呼ぶ場合があります。

労働調停は,あくまで話し合いです。

そのため,柔軟な解決が可能であるというメリットがありますが,その反面,話し合いがつかなければそのまま手続が終了してしまい,解決につながらないというデメリットもあります。

現在では,話し合いを基本としつつも,裁判所が終局的判断を下すという労働審判制度が用意されていますから,労働調停の意義はあまりなくなったといえるかもしれません。

ただし,労働調停は話し合いですから,弁護士に依頼せずに手続を進めることができますので,話がそれなりにできる相手方であれば,利用する価値はあるでしょう。

また,証拠がまったくないような場合に,まずは調停を申し立ててみて,相手方の出方を探ってみるという利用方法もあります。

>> 裁判所における労働調停とは?

どの手続で請求すべきか

どの手続を選択すべきかは個々の事情によって異なってきます。ただし,選択するとすれば,やはり,労働審判か労働訴訟でしょう。

ある程度裁判前に交渉がなされており,事実関係には争いがない又は少ない場合や早期解決を望んでいるという場合には,労働審判を選択するのがよいでしょう。

他方,そうでない場合,特に事実関係について争いがある場合や複数の労働者が一度に使用者を相手方として請求する場合などは,やはり労働訴訟によることになります。

その他の裁判手続の利用

前記の裁判手続は直接請求をするための裁判手続です。もっとも,直接請求するための裁判手続ではないですが,労働事件解決のために付随的に役に立つ裁判手続は他にもあります。

証拠保全手続

労働事件において最も重要なことは,証拠を確保するということです。

特に労働者側の場合には,必要となる資料等の証拠はすべて使用者側が持っているということが少なくありません。

そこで,この使用者側が保管している証拠をどのように入手すべきかが非常に重要な問題となってくることがあります。

使用者側が,保管している証拠をがすんなり開示してくれれば,問題はありません。しかし,そうでない使用者も,実際には少なくありません。

そこで,この使用者側が保管している証拠を確保するための裁判手続として,「証拠保全手続」が用意されています。

証拠保全手続では,裁判官が直接,証拠があると思われる場所に赴いて証拠の保全を行うことになるので,証拠が開示される場合が通常です。ただし,稀に,裁判所の命令にも応じない使用者がいることは確かです。

>> 証拠保全手続とは?

民事保全手続(仮差押え等)

例えば,未払い残業代請求の場合のように,使用者に対して金銭を請求するという労働事件があります。

この場合,使用者が任意に支払ってくれれば問題はないですが,場合によっては,任意の支払いに応じてくれないという場合もあります。その場合には,判決などの債務名義に基づいて強制執行等を行う必要があります。

しかし,訴訟を提起した時点では存在したはずの財産が,判決を取得していざ強制執行をしようという場合には,すでに無くなってしまっており,執行ができなくなってしまっているということもあり得ます。

そこで,将来強制執行等をする場合に備え,あらかじめ使用者の財産を動かせないようにしておく必要があります。これを可能とするのが「民事保全手続」です。

また,民事保全には,財産を仮に差し押さえておくという手続だけではなく,従業員の地位を仮に維持しておくという手続や,賃金の支払いを仮に維持しておくという手続もあります。

解雇の無効を争う場合などには,訴訟等を提起する前に,賃金仮払いの仮処分を申し立てておくことが少なくありません。

>> 民事保全手続とは?

民事執行手続(強制執行)

労働審判や労働訴訟で勝ったとして,それによって当然に金銭が支払われるわけでもなければ,裁判所が相手方から回収してくれるわけでもありません。

相手方が任意に支払ってくれない場合には,自分で金銭を回収する必要があります。そのための手続が民事執行手続,そのうちでも強制執行と呼ばれる手続です。

強制執行によって,相手方の財産,例えば,不動産,各種の動産,預貯金,売掛金などを差し押さえることができます。そして,その差し押さえた財産から,残業代や損害賠償などを回収することになります。

>> 民事執行手続とは?

先取特権の実行

前記の強制執行は,労働審判が確定したり労働訴訟の判決が確定したりした場合(これらを債務名義といいます。)にはじめて行うことが出来るのが原則です。

しかし,先取特権と呼ばれる担保権がついている債権については,上記のような債務名義がなくても強制執行ができるとされています。

賃金を請求する権利はこの先取特権に該当するとされています。そのため,賃金の請求については,裁判などをしなくても,いきなり強制執行が認められる場合があります。

もっとも,未払い賃金の金額などをかなり詳細に証明できるだけの証拠がある場合でなければ,この先取特権の実行は認められません。要件としてはかなり厳しいのが現状です。

現実的にはかなり難しいのですが,使用者から未払い残業代があることの証明書などを交付してもらう必要があります。

>> 先取特権の実行によって賃金を回収できるか?

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