裁判外での交渉によって労働事件を解決する方法とは?
裁判外での労働紛争解決手段のもっとも基本的な手段は,裁判外での交渉(任意交渉)です。
ここでは,裁判外での交渉(任意交渉)による労働事件解決の方法について,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。
裁判外での交渉によって労働事件を解決する方法とは?
(著者:弁護士 志賀 貴 )
なお,労働事件・雇用問題に関するご相談は,弁護士による労働事件・雇用問題の法律相談をご覧ください。
任意交渉とは
裁判で労働事件の解決を図る場合,訴訟であれば,その訴訟において裁判所がする判決には強制力があります。つまり,その判決が確定すれば,強制執行等の法的手段をとることができるということです。
これに対し,裁判外で行う手続のことを「任意」の手続と呼びます。上記のとおり,裁判手続が強制の手続であることから,任意というように呼ばれるのです。
裁判外での交渉のことを「任意交渉」と呼ぶ場合があります。
労働事件解決の方法にはいろいろな方法がありますが,もっとも基本的な方法は,この使用者との間で行う裁判外の任意交渉でしょう。
すなわち,使用者との話し合いによって紛争を解決するということです。
任意交渉の手順
裁判外の交渉ですから,特に決まった手順というものはありません。
もっとも,まず最初に,使用者に対して通知書や請求書を送付するのが通常でしょう。この通知書や請求書は,配達証明付きの内容証明郵便で送付するのが一般的です。
通知書や請求書の送付によって,すぐさま使用者が何らかの対応をしてくれれば,それ以上の交渉は必要となりませんが,そもそも紛争となっているような状態ですから,そうそう簡単に適切な対応をしてくれるということはあまり無いかも知れません。
その場合には,使用者と交渉をしていくことになるでしょう。
交渉ですので,内容は事案によって異なります。しかし,後々言った言わないの紛争にならないように,交渉の内容については記録を取っておいた方がよいでしょう。できれば,録音をしておくのが良いと思います。
交渉が上手くいき,話がまとまったならば,使用者との間で合意内容を確認する書面(合意書,和解書)を作成しておくべきです。
合意書を作成しておけば,後日合意に従った支払いがなされない場合でも,それを証拠として裁判を起こして回収することが可能となります。
任意交渉のメリット・デメリット
任意交渉には,上手くいけば回収が早くなる,話し合いで解決できるため感情的な対立が減少するというメリットがあります。
また,裁判やその他の機関を利用しないで済むため,余計な出費が抑えられるというメリットもあります。
もっとも,使用者が話し合いに応じない場合や双方妥協できない問題点があるような場合には,かえって紛争が無用に長引いてしまうというデメリットもあります。
現実問題として,交渉に応じない使用者が少なくないということも問題でしょう。
したがって,任意交渉は,ある程度で見切りをつけ,訴訟等その他の手段を検討しなければならない場合もあります。
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