未払い賞与・ボーナス請求の手続はどのような流れで進むのか?
未払いの賞与・ボーナスを請求するにはどのような手続をとればよいのでしょうか?ここでは,未払い賞与・ボーナスの請求手続の流れについて,東京 多摩 立川の弁護士がご説明いたします。
未払い賞与・ボーナス請求の手続はどのような流れで進むのか?
(著者:弁護士 志賀 貴 )
なお,労働事件・雇用問題に関するご相談は,弁護士による労働事件・雇用問題の法律相談をご覧ください。
賞与・ボーナスが賃金に当たるかどうかの確認
賞与・ボーナスを使用者に対して請求できるかどうかは,その賞与・ボーナスが賃金に該当するものである必要があります。
そこで,就業規則の規定などを確認し,請求しようとしている賞与・ボーナス等が賃金に該当するのかどうかを確認しておく必要があります。
賃金に該当するかどうかは,賞与・ボーナス等の支払金額・支払条件等が具体的に規定されているかどうか,使用者に支払義務があるといえるかどうかによって判断します。

退職金の金額の計算
賞与・ボーナスが賃金に当たる場合には,未払いとなっている賞与・ボーナスの金額を計算します。これも,就業規則等の定めに基づいて計算していきます。
手元に就業規則等の資料が無い場合,とりあえず計算は留保して,使用者側に対して,資料の開示を求めることになります。

未払い退職金等の請求書を作成する
賞与・ボーナスの請求権の消滅時効を更新させるために,計算した未払い賞与・ボーナスの請求書を作成します。
資料が無く金額を計算できない場合は,金額の代わりに,賞与・ボーナスを請求することを記載しておきましょう。そして,同時に,計算のための資料を開示するように求めます。

未払い退職金の請求書を送付する
作成した未払い賞与・ボーナスの請求書を使用者に送付します。後に証拠として使えるようにするため,請求書は,記録の残る内容証明郵便(配達証明付き)で送付しましょう。

使用者と支払いの交渉をする
請求書の期限までに支払いも回答もない場合は,交渉を開始します。直接交渉,電話交渉でもかまいませんが,証拠が残るように録音等をしておきましょう。重要なことは書面でやり取りしてもよいでしょう。
場合によっては,労働組合による交渉も考えられます。交渉がうまくいった場合には,合意書を作成します。

紛争調整機関を利用する
当事者同士の話し合いだけではらちが明かないという場合には,紛争調整機関を利用するのがよいでしょう。
紛争調整機関として代表的なものは労働基準監督署ですが,その他にも地方自治体のあっせん制度を利用したり,弁護士会のADRを利用したりする方法もあります。

裁判手続を利用する
紛争調整機関の協力によっても支払いがなされない場合には,やはり裁判手続を利用する必要があります。裁判手続には,調停,労働審判,訴訟などがあります。
事実関係に争いがなく単に使用者側が支払いを渋っているにすぎないような場合には労働審判が効果的ですが,そうでなく事実にも争いがあるような場合には訴訟をお勧めいたします。
なお,金額が僅少である場合には少額訴訟という簡易な訴訟手続も用意されています。

不払い賞与・ボーナス等を回収する
例え交渉がうまくいき合意書を取り交わしたとしても,労働審判や労働訴訟で支払いを命じる裁判がなされたとしても,現実に回収できなければ絵に描いた餅です。
使用者が任意に支払ってくれない場合には,強制執行をする必要があります。相手方の財産をどれだけ把握することができるかが勝負のカギになるでしょう。

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