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労働災害

労災事故が起きた場合の使用者・企業側の責任

※現在,業務過多により労働災害事件についてはご相談・ご依頼の受任を中止しております。悪しからずご了承ください。

労災事故が起こった場合に,労働者は使用者に対してどのような請求ができるのかについては,労災事故が起きた場合に使用者がどのような法的責任を負うことになるのかということを知っておく必要があります。

労災事故が起こった場合,使用者である企業は,民事上の損害賠償責任・労災補償責任や,場合によっては刑事責任や行政責任など,各種の法的責任を負担することになります。

このページの以下では,労災事故が起きた場合に使用者が負担する法的責任についてご説明いたします。

(著者:弁護士 志賀 貴

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労災事故が起きた場合に使用者・企業が負う法的責任

使用者は労働者を使用することによって利益を得ている以上,その使用している労働者の生命・身体の安全・衛生について十分な配慮をしなければならないことは言うまでもないでしょう。

日本国憲法27条2項は労働者の権利を保障しています。そして,この憲法27条2項を具体化する法律が「労働基準法」です。

この労働基準法から枝分かれして,労働者の生命・身体の安全・衛生に関して使用者に義務を課す法律として「労働安全衛生法」が制定されています。

つまり,使用者には,労働者の生命・身体の安全・衛生を確保すべき法的義務があるということです。

具体的にいえば,労働者が労災事故によって傷病を負いまたは死亡した場合,使用者は,民事責任,刑事責任または行政上の責任を負うことがあります。

>> 労働災害のQ&A

使用者・企業が負う民事責任

前記のとおり,労災事故が起こった場合,使用者は民事責任を負うことになります。

この民事責任の基本は,不法行為または債務不履行に基づく損害賠償責任ですが,その他にも,業務災害および通勤災害については,労働災害補償責任・上積み補償責任を負うことがあります。

損害賠償責任

労災事故が起こった場合に使用者が負担する民事責任の基本は,損害賠償責任です。

この損害賠償責任の根拠については,かつては不法行為責任のみであると考えられていました。

しかし,不法行為責任の場合,故意・過失の立証責任が労働者に課されることや消滅時効期間が短いなど,労働者側に不利となる点があり,労働者保護に欠ける側面があります。

そこで,労働者保護の見地から,現在では,労働・雇用契約には,信義則上,労働者の生命・身体の安全・衛生を配慮する法的義務(いわゆる「安全配慮義務」と呼ばれる法的義務)も含まれているとし,労災事故が起こった場合にはその安全配慮義務違反という債務不履行であるという法的構成が一般的となっています。

すなわち,労災事故の場合には,使用者は債務不履行に基づく損害賠償責任を負担するということです。

債務不履行責任の場合には,労働者が故意・過失の立証責任を負担しません(使用者側で故意・過失等帰責事由がないことを立証する必要があります。)し,消滅時効期間も10年と不法行為の場合よりも長くなっていますから,労働者側に有利な構成といえるでしょう。

なお,現在では債務不履行構成が一般的ではありますが,もちろん不法行為責任を追求することもできます(時効の起算点という観点から,不法行為の方が有利であるという場合もあり得ます。)。

労災補償責任

上記のとおり,損害賠償責任が基本的な民事責任ということになりますが,これを労働者が請求するためには,(いかに債務不履行構成が不法行為構成よりも有利であるとはいえ)法的な主張立証が必要です。

労働者側にも過失がある場合には,過失相殺によって請求金額が減額されることもあり得ます。

また,損害賠償の請求は非常に長い期間がかかる場合もあります。裁判によって請求する場合には,なおさらです。

そこで,労働者保護の見地から,労働基準法は,労働災害があった場合に使用者は労働者に対して労災補償責任を負わなければならないとされています。

そして,この労災補償による支払いを確実なものとするために,労災保険制度が用意されています。

労災保険とセットになった労災補償責任によって,労働者は,通常の損害賠償請求よりも迅速かつ確実に,しかも,使用者の過失の有無にかかわらず保険給付を受けることができるという特徴があります。

>> 労災保険のQ&A

上積み補償責任

前記のとおり,労災補償は,労働者にとって非常に有利な制度です。

とはいえ,労災補償責任の対象となる業務災害は業務災害と通勤災害に限られており,また,労災によって被った損害のすべてを補償してくれるというものではありません。

そこで,使用者・企業によっては,労働協約・就業規則等において,労災保険給付に上積みの補償を認めている場合があります。

その場合には,その協約や就業規則等に基づいて上積み補償責任を追求することできるということになります。

使用者・企業が負う刑事責任

労災事故が起きた場合,場合によっては,使用者が刑事責任を負担する場合があり得ます。

典型的なものは,業務上過失致死傷罪ですが,その他にも,労働基準法や労働安全衛生法の処罰規定に該当する場合には刑事責任を負うことがあります。

使用者・企業が負う行政上の責任

労災事故が起きた場合,前記の民事責任や刑事責任のほか,使用者・事業主は行政上の責任を負担することもあります。

行政上の責任を負うというのは,要するに行政指導や行政処分を受けるということです。

どのような行政処分を受けるのかは,業種や労災の内容・程度にもよりますが,作業停止や営業停止処分などの行政処分を受けることもあります。

労災事故が起きた場合の使用者の責任に関連するページ

労災事故が起きた場合の使用者の責任についてより詳しく知りたい方は,以下のページもご覧ください。

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