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法令解説【裁判員制度】

裁判員になることを辞退できるのか?

裁判員としての職務を行うということは,国民に一定の負担をかけるということですから,どのような事情があっても辞退できないとするのは,国民に大きな負担を強いることになりかねません。

そこで,裁判員に選任されたときであっても,裁判員法に定める一定の「辞退事由」がある場合には,裁判員になることを辞退できるとされています。

このページの以下では,この裁判員になることを辞退できるのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

裁判員になることを辞退できるのか?

なお,個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページを,裁判員制度の概要については,裁判員制度とは何か?をご覧ください。

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裁判員への選任

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第13条

裁判員は,衆議院議員の選挙権を有する者の中から,この節の定めるところにより,選任するものとする。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)13条によれば,裁判員に選任されるのは,衆議院議員の選挙権を有する人です。

そして,この衆議院議員選挙の選挙権を有する人の中から,裁判員法14条で定める欠格事由がある人を除いた人が裁判員候補者名簿に登録され,その中から,実際に裁判員になる人が選抜されることになります。

裁判員に選ばれた場合,法律に定める条件を満たす限りは,原則として裁判員を辞退することができないのが原則です。そうでないと,みんなが裁判員を辞退してしまうおそれがあるからです。

>> 裁判員になるための資格とは?

裁判員の辞退事由

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第16条

次の各号のいずれかに該当する者は,裁判員となることについて辞退の申立てをすることができる。
① 年齢70年以上の者
② 地方公共団体の議会の議員(会期中の者に限る。)
③ 学校教育法第1条,第124条又は第134条の学校の学生又は生徒(常時通学を要する課程に在学する者に限る。)
④ 過去5年以内に裁判員又は補充裁判員の職にあった者
⑤ 過去3年以内に選任予定裁判員であった者
⑥ 過去1年以内に裁判員候補者として第27条第1項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭したことがある者(第34条第7項(第38条第2項(第46条第2項において準用する場合を含む。),第47条第2項及び第92条第2項において準用する場合を含む。第26条第3項において同じ。)の規定による不選任の決定があった者を除く。)
⑦ 過去5年以内に検察審査会法(昭和23年法律第147号)の規定による検察審査員又は補充員の職にあった者
⑧ 次に掲げる事由その他政令で定めるやむを得ない事由があり,裁判員の職務を行うこと又は裁判員候補者として第27条第1項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭することが困難な者
イ 重い疾病又は傷害により裁判所に出頭することが困難であること。
ロ 介護又は養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある同居の親族の介護又は養育を行う必要があること。
ハ その従事する事業における重要な用務であって自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがあるものがあること。
二 父母の葬式への出席その他の社会生活上の重要な用務であって他の期日に行うことができないものがあること。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第16条第8号に規定するやむを得ない事由を定める政令

内閣は,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成16年法律第63号)第16条第8号の規定に基づき,この政令を制定する。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「法」という。)第16条第8号に規定する政令で定めるやむを得ない事由は,次に掲げる事由とする。
① 妊娠中であること又は出産の日から八週間を経過していないこと。
② 介護又は養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある親族(同居の親族を除く。)又は親族以外の同居人であって自らが継続的に介護又は養育を行っているものの介護又は養育を行う必要があること。
③ 配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。),直系の親族若しくは兄弟姉妹又はこれらの者以外の同居人が重い疾病又は傷害の治療を受ける場合において,その治療に伴い必要と認められる通院,入院又は退院に自らが付き添う必要があること。
④ 妻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は子が出産する場合において,その出産に伴い必要と認められる入院若しくは退院に自らが付き添い,又は出産に自らが立ち会う必要があること。
⑤ 住所又は居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり,裁判所に出頭することが困難であること。
⑥ 前各号に掲げるもののほか,裁判員の職務を行い,又は裁判員候補者として法第27条第1項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭することにより,自己又は第三者に身体上,精神上又は経済上の重大な不利益が生ずると認めるに足りる相当の理由があること。

前記のとおり,裁判員に選任されると,当然のことながら裁判員としての職務を行わなければなりません。つまり,裁判所に出頭して審理・評議に参加するということです。

しかし,裁判員になるというのは,刑事裁判と無関係に一般生活を送っている人からすれば,負担とならないとも限りません。

国民ができる限り負担なく裁判員として参加できるようにしなければ,裁判員制度自体が立ち行かなくなるおそれがあります。そこで,一定の場合には裁判員を辞退できることになっています。

具体的には,上記「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)」16条各号で定められている事由に該当する場合です。これを「辞退事由」といいます。

辞退事由がある場合,裁判員に選任された人は,裁判所に対して辞退の申立てをして,裁判員から辞退することができます。

また,裁判員法16条第8号には,イからニまでの事由の他に,「その他政令で定めるやむを得ない事由」がある場合にも裁判員を辞退できるとされています。

ここでいう政令とは,上記「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第16条第8号に規定するやむを得ない事由を定める政令」です。この政令各号に定める事由がある場合も,辞退を申し立てることができます。

辞退できる場合の具体例

裁判員からの辞退が問題となる場合としては,例えば,以下のような場合があるでしょう。

高齢者の場合

辞退事由の1つに,年齢が70歳以上の場合があります(裁判員法16条1号)。

高齢の場合,裁判員として出頭すること自体が負担となる可能性があることから,辞退事由とされています。そこで,70歳以上の人は,裁判員となることを辞退することができるわけです。

もっとも,これはあくまで辞退することができるというだけです。

したがって,裁判員となることができないというわけではありませんから,70歳以上の人であっても,自分の意思で裁判員となりたいと考えれば,辞退しなければ裁判員となることができます。

なお,70歳未満の人であっても,他に辞退事由があれば,当然辞退することは可能です。特に,体が不自由であるあるというような場合には,辞退をすることが認められることもあるでしょう。

仕事が忙しいことを理由とした辞退

裁判員法第16条は,裁判員からの辞退事由を規定した条文です。その第8号ハでは,一定の場合には仕事を理由として裁判員から辞退することができる旨を規定しています。

もっとも,仕事をしていれば誰でも辞退できるわけではありません。

裁判員法16条8号ハのとおり,まず,「その従事する事業における重要な用務」があることが必要です。簡単に言うと,自分が勤めている会社で重大な仕事があるということです。

ここでいう「重大」性については,一概には判断できません。それぞれの会社の規模や行っている事業などから,その「用務」が重大かどうかを個別具体的に判断するほかないでしょう。

社運をかけたプロジェクトを行っている場合などは「重大な用務」といえるでしょう。

次に,その重大な用務は,「自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがあるもの」でなければなりません。

つまり,自分が担当になっていて,自分がその用務を処理しなければ,会社に大損害を生じさせてしまうような用務でなければならないのです。

したがって,例え重大な用務でそれをしないと会社が大損害を受けてしまうものであっても,他の人でも代わりにできるような場合には,それを理由に辞退することはできません。

あくまで裁判員の候補となった人にしかできない用務である場合にだけ,辞退が許されるということです。

また,「著しい損害が生じるおそれ」というのも,一般的に判断できるものではありません。やはりこれも,個別具体的に判断するほかないでしょう。

以上のとおり,仕事を理由に裁判員を辞退することは可能ですが,それは非常に限られています。単に仕事が忙しいので辞退したいといっても,認められることはありません。

裁判員の辞退に関連するページ

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