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法令解説【裁判員制度】

裁判員の欠格事由とは?

裁判員は,衆議院議員選挙の選挙権を有する人の中から選任されることになりますが,一定の「欠格事由」がある場合には,裁判員になることができないとされています。

このページの以下では,この裁判員に就任できなくなる欠格事由とは何かについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

なお,個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページを,裁判員制度の概要については,裁判員制度とは何か?をご覧ください。

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裁判員の欠格事由

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第13条

裁判員は,衆議院議員の選挙権を有する者の中から,この節の定めるところにより,選任するものとする。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第14条

国家公務員法(昭和22年法律第120号)第38条の規定に該当する場合のほか,次の各号のいずれかに該当する者は,裁判員となることができない。
① 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)に定める義務教育を終了しない者。ただし,義務教育を終了した者と同等以上の学識を有する者は,この限りでない。
② 禁錮以上の刑に処せられた者
③ 心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある者

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)13条によれば,裁判員に選任されるのは,衆議院議員の選挙権を有する人です。

もっとも,裁判員法14条では,衆議院議員の選挙権を有する人であっても,一定の場合には,裁判員となることができないと規定しています。

この裁判員法14条で定められている裁判員になることができなくなる事由のことを「欠格事由」と呼んでいます。

>> 裁判員になるための資格とは?

国家公務員法第38条の規定に該当する場合

国家公務員法 第38条

次の各号のいずれかに該当する者は,人事院規則の定める場合を除くほか,官職に就く能力を有しない。
① 成年被後見人又は被保佐人
② 禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
③ 懲戒免職の処分を受け,当該処分の日から二年を経過しない者
④ 人事院の人事官又は事務総長の職にあつて,第109条から第112条までに規定する罪を犯し刑に処せられた者
⑤ 日本国憲法施行の日以後において,日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し,又はこれに加入した者

前記裁判員法第14条の柱書には,国家公務員法第38条の規定に該当する場合には,裁判員となることができないと規定されています。

国家公務員法38条1号の場合

成年被後見人とは,成年後見開始の審判を受けている人のことをいいます。簡単に言うと,自分ではものを考えることができなかったり,そういうことが難しい状態にあるため,後見人が付いている人のことをいいます。

被保佐人は保佐開始の審判を受けている人のことで,成年被後見人ほどではありませんが,やはり判断能力の乏しいため,保佐人が付いている人のことをいいます。

これらの人は判断能力に乏しいため,裁判員法第14条および国家公務員法38条1号により,裁判員になることができないとされています。

国家公務員法38条3号の場合

懲戒処分を受けて2年間を経過していない国家公務員も,裁判員法第14条および国家公務員法38条3号により,裁判員となることができません。

国家公務員法38条4号及び5号の場合

特に人事院の人事官又は事務総長が,国家公務員法第109条から第120条までに規定されている犯罪を犯して刑罰に処せられた場合や,日本国憲法秩序を暴力で破壊しようとする危険な集団に属しているなども,裁判員法第14条および国家公務員法38条4号・5号により,裁判員になることができません。これらの人々は適切な判断ができない可能性が大きいからです。

国家公務員法38条2号について

なお,上記条文の第2号には,「禁錮以上の刑に処せられ,その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」が規定されていますが,これは,裁判員法には妥当しません。

というのも,前記裁判員法第14条第2号に「禁固以上の刑に処せられた者」は,刑罰の執行を終わっているか免除されているかにかかわらず,裁判員になることができないと規定されているからです。

裁判員法14条1号の欠格事由

裁判員法第14条1号には,小学校や中学校の義務教育を終了していない人は裁判員になることができないと規定されています。

これは,裁判員として判断を下すだけの最低限の社会的知識を身に付けていないと考えられているからです。

先に述べたとおり,裁判員資格の前提は選挙権を持っている人,つまり,成人している人ですので,ここでいう義務教育を終了していない人とは,当然,現在小学校や中学校に通っている人を対象としているものではありません。

ここで対象としているのは,成人はしているが過去に義務教育を終了していない人です。もっとも,現代の日本で義務教育を終了していない人というのは,相当少ないと思われます。

日本の義務教育の普及率は世界的に見ても非常に高い数字ですから,少なくとも,戦後生まれの世代以降の人で義務教育を経ていないという人は相当少ないのではないでしょう。

したがって,義務教育を経ていない人というのは,戦前生まれの老人の方などごく一部に限られると思います。

しかし,義務教育を経ていないから世間知らずだというのは,馬鹿馬鹿しい考えです。義務教育を経ていなくても世の中を知っている人,ちゃんと義務教育終了者以上の教養や知識を持っている人はいくらでもいます。

そこで,裁判員法第14条第1号ただし書きでは,義務教育を終了していなくとも終了者と同等以上の学識を持つ人は裁判員になれると規定しています。極めて妥当な規定です。

私も,戦前生まれで義務教育を経ていないため,上手く文字を書いたり読んだりすることができない老人の方の相談を受けたことがあります。

この方は恥ずかしそうに「ろくに小学校も出てないから,字が書けないんです。」と私に言いましたが,全然恥ずかしがることのないほど常識のある人でした。

ちょうど非常識な相談者を相手にした後だったので,「そんなこと恥ずかしがるようなことじゃありません。

義務教育を終了していても常識のかけらもない人なんていくらでもいますよ。」と言ったことがあったのを思い出しました。

裁判員法14条2号の欠格事由

裁判員法14条2号は,禁固以上の刑に処せられた人は裁判員になることができないという規定です。禁固以上の刑とは,禁固・懲役・死刑のことです。

ちなみに,禁固と懲役とは何が違うかと言えば,懲役の場合には労役があるのに対し,禁固の場合にはそれがないというところです。

つまり,懲役の場合には,単に刑務所に隔離されているだけでなく,そこで何らかの仕事などをしなければいけませんが,禁固の場合には,そういうものがなく,ひたすら隔離されているだけということです。

裁判員法14条3号の欠格事由

裁判員法14条3号は,「心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある者」は裁判員になることができないと定めています。

簡単に言うと,心を病んでいたり,体を病んでいたりして,裁判員として裁判をすることが難しいと判断される人は裁判員になることができないという規定です。

単に精神的な病気であったり,身体的に健康ではないというだけでは足りません。「著しく」裁判員の裁判をすることが難しいといえるような状態でなければならないのです。

裁判員の欠格事由に関連するページ

裁判員の欠格事由についてより詳しく知りたい方は,以下の関連ページもご覧ください。

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