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法令解説【裁判員制度】

裁判員裁判対象事件の例外とは?

現在,わが国では裁判員制度が採用されています。裁判員制度の下では,裁判員法で定められた一定の事件(裁判員裁判対象事件)では,裁判員が参加する裁判が行われることになります。

もっとも,例外的に,裁判員裁判対象事件であっても,一定の事由がある場合には,裁判員裁判ではなく,裁判官のみによる通常の裁判が行われることがあります。

このページの以下では,この裁判員裁判対象事件でありながら裁判員裁判とはならない場合について,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

なお,個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページを,裁判員制度の概要については,裁判員制度とは何か?をご覧ください。

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裁判員裁判対象事件

現在,わが国では,裁判員制度が行われています。これは,刑事裁判に国民が裁判員として参加し,裁判官とともに,刑事裁判における事実認定および量刑判断をするという制度です。

裁判員が参加する裁判を「裁判員裁判対象事件」といいます。すべての事件が裁判員裁判対象事件となるわけではなく,裁判員裁判対象事件は,地方裁判所における一定の重大な事件に限定されています。

もっとも,例外的に,裁判員裁判対象事件であっても,一定の事由がある場合には裁判員裁判が行われない場合があります。

>> 裁判員裁判対象事件とは?

裁判員裁判の除外決定がされた場合

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第3条 第1項

地方裁判所は、前条第1項各号に掲げる事件について,被告人の言動,被告人がその構成員である団体の主張若しくは当該団体の他の構成員の言動又は現に裁判員候補者若しくは裁判員に対する加害若しくはその告知が行われたことその他の事情により,裁判員候補者,裁判員若しくは裁判員であった者若しくはその親族若しくはこれに準ずる者の生命,身体若しくは財産に危害が加えられるおそれ又はこれらの者の生活の平穏が著しく侵害されるおそれがあり,そのため裁判員候補者又は裁判員が畏怖し,裁判員候補者の出頭を確保することが困難な状況にあり又は裁判員の職務の遂行ができずこれに代わる裁判員の選任も困難であると認めるときは,検察官,被告人若しくは弁護人の請求により又は職権で,これを裁判官の合議体で取り扱う決定をしなければならない。

国民からの裁判員制度に対する懸念事項としてよく挙げられることは,被告人等からの「報復」があります。

裁判員は刑事事件の裁判に参加するわけですから,当然,どのような判決をするかどうかの判断に加わることになります。そうすると,被告人に刑罰を科すという決定に加わることになります。

しかし,被告人としては,それを恨みに思う人間がいるかもしれません。そもそも自業自得なのですが,それでもそういうように考える輩はいるでしょう。

裁判員にとっては,それが恐怖となります。このような懸念を生じることは当然のことです。そのため,法律上も,裁判員の個人情報等の取扱いには特に厳重に行うよう各種の配慮がなされています。

そうは言っても,たとえば,被告人が暴力団員であるような場合,恐怖や不安で冷静な判断ができないということはあり得ます。

もちろん,そうならないように,弁護士,検察官そして裁判所が対策をとるべきですが,どうしても難しいという場合もあり得ます。

そこで,被告人または被告人の関係者が裁判員を脅迫行為等をしたことによって,裁判員が出頭できないというような状況になった場合には,検察官,被告人または弁護人からの請求,あるいは,裁判所の職権で,裁判員裁判対象事件であっても,裁判官だけの裁判に戻す決定をすることができるとされています。

この裁判員法3条1項に基づいて,裁判員裁判対象事件を,通常の裁判官だけの裁判に戻すという決定のことを「裁判員裁判除外決定」と呼んでいます。

>> 裁判員保護のための制度

裁判員裁判でない事件との弁論併合がされた場合

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第4条

第1項 裁判所は,対象事件以外の事件であって,その弁論を対象事件の弁論と併合することが適当と認められるものについては,決定で,これを第2条第1項の合議体で取り扱うことができる。
第2項 裁判所は,前項の決定をした場合には,刑事訴訟法 の規定により,同項の決定に係る事件の弁論と対象事件の弁論とを併合しなければならない。

弁論の併合とは,簡単に言うと,別々に行われている訴訟を1つにまとめて審理するということです。

裁判員裁判対象事件でない事件と裁判員裁判対象事件が関連した事件で,それらの事件の弁論を併合した方が妥当であると判断された場合には,決定で,これらの弁論を併合することができます。

そして,この弁論併合が行われた場合,併合後の事件は裁判員裁判対象事件ではなくなります。

罰条変更がされた場合

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第5条

裁判所は,第2条第1項の合議体で取り扱っている事件の全部又は一部について刑事訴訟法第312条の規定により罰条が撤回又は変更されたため対象事件に該当しなくなったときであっても,当該合議体で当該事件を取り扱うものとする。ただし,審理の状況その他の事情を考慮して適当と認めるときは,決定で,裁判所法第26条の定めるところにより,当該事件を一人の裁判官又は裁判官の合議体で取り扱うことができる。

罰条とは,要するに,犯罪と刑罰を定めた法律の条文のことです。この罰条は,検察官が裁判のはじめに明らかにすることになっています。

もっとも,この罰条は,検察官の判断によって,撤回したり変更したりすることができます。

罰条が撤回又は変更されることによって,裁判員裁判対象事件であったはずのものが,対象事件以外の事件に変わることはあり得ます。

原則として,裁判員裁判対象事件について罰条の撤回・変更により対象事件以外の事件になった場合でも,裁判員裁判のまま裁判は続けられていきます。

ただし,裁判の進行状況等を考慮して,裁判員裁判で行うほどのものではないと判断された場合には,裁判員裁判から通常の裁判官だけの裁判に戻す決定をすることができます。

裁判員裁判対象事件の例外に関連するページ

裁判員裁判対象事件の例外についてより詳しく知りたい方は,以下の関連ページもご覧ください。

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