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法令解説【裁判員制度】

裁判員裁判対象事件とは?

現在の刑事裁判には「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)」に基づいて「裁判員制度」が導入されています。

もっとも,すべての事件が裁判員裁判となるわけではなく,裁判員裁判の対象となる事件(裁判員裁判対象事件)は,裁判員法によって決められています。

このページの以下では,この裁判員裁判の対象となる事件はどのような事件なのかについて,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所がご説明いたします。

なお,個人の方の生活や中小企業の方の事業に関わる法令については,生活・事業に関わる法令紹介ページを,裁判員制度の概要については,裁判員制度とは何か?をご覧ください。

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裁判員裁判とは

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第1条

この法律は,国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ,裁判員の参加する刑事裁判に関し,裁判所法(昭和22年法律第59号)及び刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。

裁判員制度とは,法曹でない一般国民が,刑事裁判に裁判員として参加し,裁判官とともに刑事事件の事実認定・法令適用・量刑判断をするという制度です。

裁判員制度は,上記条文のとおり,「国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ」て,創設された制度です。

この裁判員制度によって,裁判員が参加して行われる裁判のことを「裁判員裁判」と呼んでいます。

>> 裁判員制度とは?

裁判員裁判対象事件とは

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律 第2条

第1項 地方裁判所は,次に掲げる事件については,次条の決定があった場合を除き,この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は,裁判所法第26条の規定にかかわらず,裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。 
① 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件 
② 裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であって,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(前号に該当するものを除く。) 
第2項 前項の合議体の裁判官の員数は3人,裁判員の員数は6人とし,裁判官のうち一人を裁判長とする。ただし,次項の決定があったときは,裁判官の員数は一人,裁判員の員数は四人とし,裁判官を裁判長とする。

裁判所法 第26条

第1項 地方裁判所は,第2項に規定する場合を除いて,一人の裁判官でその事件を取り扱う。
第2項 左の事件は,裁判官の合議体でこれを取り扱う。但し,法廷ですべき審理及び裁判を除いて,その他の事項につき他の法律に特別の定があるときは,その定に従う。
① 合議体で審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件
② 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪(刑法第236条,第238条又は第239条の罪及びその未遂罪,暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)第1条の2第1項若しくは第2項又は第1条の3の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和5年法律第9号)第2条又は第3条の罪を除く。)に係る事件
③ 簡易裁判所の判決に対する控訴事件並びに簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告事件
④ その他他の法律において合議体で審理及び裁判をすべきものと定められた事件
第3項 前項の合議体の裁判官の員数は,3人とし,そのうち一人を裁判長とする。

裁判員制度とは言っても,すべての刑事裁判に裁判員が参加するわけではありません。裁判員が参加する裁判は,重大な刑事事件の裁判に限られています。

裁判員裁判となる重大事件のことを「裁判員裁判対象事件」といいます。

死刑又は無期懲役・無期禁固に当たる罪に係る事件

すなわち,死刑又は無期懲役・無期禁固に当たる罪に係る事件と,裁判所法第26条第2項第2号に規定された事件のうちで故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件とが裁判員裁判対象事件となります。

死刑又は無期懲役・無期禁固に当たる罪に係る事件とは,たとえば,殺人,強盗致傷・強盗致死・強盗傷害・強盗殺人,強姦致傷・強姦致死・強姦傷害・強姦殺人,身代金目的誘拐(略取),現住建造物等放火,通貨偽造・偽造通貨行使,営利目的覚せい剤輸出入(製造),業として行う麻薬等の輸出入などがあります。

裁判所法第26条第2項第2号に規定された事件のうちで故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件

裁判所法第26条第2項第2号に規定された事件のうちで故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件というのは,裁判所法第26条第2項第2号に規定された事件,つまり裁判官が合議体で行う事件(これを「法定合議事件」といいます。)であって,かつ「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪(省略)に係る事件」であることが前提です。

そしてそのうちで,故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件でなければなりません。

故意の犯罪行為でなければならないので,過失で人を死亡させた罪は含まれません。たとえば,業務上過失致死などは含まれないのです。

では,どのようなものが含まれるかと言うと,簡単に言うと,殺すつもりはなかったけれども故意の犯罪行為を行った結果,人を死なせてしまった場合です。

典型的なものは,殺そうとは思わずに人を殴って怪我をさせたところ,その怪我がもとで相手が死んでしまった場合です。

相手に怪我をさせる行為は傷害罪という故意の犯罪行為ですから,これによって人を死亡させたので,上記の「故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件」に該当することになります。

裁判所法第26条第2項第2号に規定された事件のうちで故意の犯罪行為によって人を死亡させた罪に係る事件には,保護責任者遺棄致死,逮捕(監禁)致死,傷害致死,危険運転致死などがあります。

裁判員裁判対象事件の審級

刑事裁判においては,基本的に3段階の裁判が行われます。

すなわち,一番最初は第一審として地方裁判所で裁判が行われます。

この裁判に不服がある場合には,次に控訴審として,高等裁判所で裁判が行われます。さらに不服があれば,最後に上告審として,最高裁判所で裁判が行われます。

この1つ1つの段階を審級といいます。また,このように3つの段階で審判を受ける機会があることを三審制といいます。

では,裁判員が裁判を行うのはどの審級かと言うと,地方裁判所で行われる第一審の裁判のみです。すべての審級で裁判員裁判が行われるわけではありません。

なお,軽微な犯罪については,簡易裁判所が第一審となることがありますが,この簡易裁判所で行われる第一審も裁判員裁判は行われません。

あくまで,地方裁判所で行われる第一審の裁判員裁判対象事件のみが裁判員裁判となるのです。

裁判員裁判対象事件の審級

前記のとおり,裁判員裁判対象事件となる事件は法定されています。

もっとも,被告人等による脅迫などにより裁判員が畏怖して裁判に参加できない場合,裁判員裁判でない事件と併合された場合など一定の事由があるときは,裁判員裁判対象事件であっても,裁判官のみの裁判に戻されることがあります。

>> 裁判員裁判対象事件の例外とは?

裁判員裁判対象事件に関連するページ

裁判員裁判対象事件についてより詳しく知りたい方は,以下の関連ページもご覧ください。

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