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ファイル共有ソフトによる著作権侵害

ファイル共有ソフトによる違法アップロードに科される刑事罰とは?

BitTorrent(ビットトレント)等のファイル共有ソフトを利用して違法アップロードをした場合,著作権を侵害したものとして,民事責任だけでなく,刑事責任を負い,刑罰を科される可能性があります。

このページの以下では,ファイル共有ソフトによる違法アップロードに科される刑罰についてご説明いたします。

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ファイル共有ソフトによる違法アップロード

BitTorrent(ビットトレント)などに代表されるファイル共有ソフトそれ自体は違法なものではありませんから,ファイル共有ソフトを利用しただけで刑事罰を科されるようなことはありません。

しかし,著作者は,自己の著作物について,公衆送信権や送信可能化権といった著作権を専有しています(著作権法23条1項)。

公衆送信権とは,公衆によって直接受信されることを目的として著作物を送信できる権利のことをいい,送信可能化権とは,公衆からの求めに応じ自動的に行う公衆送信(自動公衆送信)できる状態にする権利のことをいいます。

著作者に無断で,ファイル共有ソフトを利用して著作物をネットワーク上にアップロードする行為は,公衆送信権や送信可能化権を侵害する違法なアップロードとなり,刑事罰を科される可能性はあります。

なお,著作者の正式な許可を得て,ファイル共有ソフトを利用して取得した著作物のファイルをネットワーク上にアップロードしたとしても,刑事罰を科されることはありません。

>> ファイル共有ソフトによる著作権侵害の刑事責任とは?

著作権法119条1項の罪

著作権法 119条 1項
著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第二項、第三項若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第六号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

ファイル共有ソフトを利用して違法アップロードし,著作権(公衆送信権・送信可能化権等)を侵害した場合,著作権法119条1項の罪に該当する可能性が考えられます。

実際,ファイル共有ソフト(Winny)のユーザーが著作権法119条の罪で刑事罰を科された裁判例(京都地判平成16年3月5日,京都地判平成16年11月30日)も存在します。

著作権侵害行為

著作権法119条1項の罪の構成要件該当行為は,「著作権を侵害」する行為です。

ファイル共有ソフトを利用して著作物ファイルを取得し,それをインターネット上の投稿サイト等にアップロードする行為などが典型的です。

また,BitTorrent(ビットトレント)などP2P方式のファイル共有ソフトの場合,それを利用して著作物ファイルをダウンロードをすると,他のユーザーに送信できるようにするため,その著作物ファイルの一部または全部が自動的にアップロード(またはアップロード可能化)されることにもなります。

そのため,何らかの意図的な操作をして投稿サイト等にアップロードしたわけではなくても,ファイル共有ソフトを利用してダウンロードをしただけで,著作権侵害行為が発生する可能性があります。

故意

著作権法119条1項の罪は,故意犯とされています。したがって,過失に過ぎない場合には,同項の罪は成立しません(民事責任を問われることはあります。)。

ファイル共有ソフトを利用して取得したファイルを投稿サイトにアップロードしたなどの場合には,著作権侵害行為や著作権侵害の結果を認識しているといえるので,故意を否認するのは難しいでしょう。

他方,単にダウンロードしただけの認識であり,アップロードされていることを認識していなかった場合には,故意を欠くため,著作権法119条1項の罪は成立しません。

ただし,故意があったかどうかは,客観的な証拠によって認定されます。アップロードの認識を欠いていたと主張しても,客観的証拠からみて故意があると認定されることはあり得ます。

刑罰

著作権法119条1項の罪が成立する場合,行為者は,1か月以上10年以下の懲役もしくは1万円以上1000万円以下の罰金,またはこの両方の刑罰を科されることになります。

なお,Winny(ウィニー)ユーザーの著作権法違反被告事件では,懲役1年・執行猶予3年の刑事罰が科されています。

親告罪

著作権法 123条
第1項 第百十九条第一項から第三項まで、第百二十条の二第三号から第六号まで、第百二十一条の二及び前条第一項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第2項 前項の規定は、次に掲げる行為の対価として財産上の利益を受ける目的又は有償著作物等の提供若しくは提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益を害する目的で、次の各号のいずれかに掲げる行為を行うことにより犯した第百十九条第一項の罪については、適用しない。
 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。次号において同じ。)を行うこと(当該有償著作物等の種類及び用途、当該譲渡の部数、当該譲渡又は公衆送信の態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。
 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信を行うために、当該有償著作物等を複製すること(当該有償著作物等の種類及び用途、当該複製の部数及び態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。
第3項 前項に規定する有償著作物等とは、著作物又は実演等(著作権、出版権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権、出版権又は著作隣接権を侵害するもの(国外で行われた提供又は提示にあつては、国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきもの)を除く。)をいう。
第4項 無名又は変名の著作物の発行者は、その著作物に係る第一項に規定する罪について告訴をすることができる。ただし、第百十八条第一項ただし書に規定する場合及び当該告訴が著作者の明示した意思に反する場合は、この限りでない。

著作権法119条1項の罪は,原則として親告罪とされています(著作権法123条1項)。したがって,著作者による告訴があってはじめて刑事事件として起訴されるのが原則です。

ただし,営利目的や著作者の利益を害する目的で,有償の著作物をアップロードした場合などには,非親告罪となり,告訴がなくても刑事事件として起訴されることがあります(著作権法123条2項)。

例えば,ファイル共有ソフトを利用して取得したファイルを海賊版として違法アップロードし,それを販売して利益を得ていたような場合には,非親告罪となります。

裁判例

ファイル共有ソフトのユーザーが著作権法119条1項の罪(送信可能化権侵害罪)で刑事罰を科された裁判例として,京都地判平成16年3月5日や京都地判平成16年11月30日があります。

上記はいずれもWinny(ウィニー)ユーザーが被告人となっている事案です。いずれの事件も,被告人には,懲役1年・執行猶予3年の有罪判決が言い渡されています。

著作権法違反以外の罪

BitTorrent(ビットトレント)などファイル共有ソフトを利用した違法アップロードで立件されることが多いのは,上記の著作権法違反です。

もっとも,違法アップロードしたファイルの内容が,わいせつ物や児童ポルノに該当する場合には,刑法上のわいせつ物等頒布罪や「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法)」違反などでも処罰される可能性があります。

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