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ファイル共有ソフトによる著作権侵害

ファイル共有ソフト著作権侵害の法的責任追求の手続はどのような流れで進むのか?

BitTorrent(ビットトレント)等のファイル共有ソフトを利用して著作権を侵害した場合,ソフトの利用者は,民事または刑事において法的責任を負う場合があります。

このページの以下では,ファイル共有ソフト著作権侵害の法的責任追求の手続はどのような流れで進むのかについてご説明いたします。

※なお,以下はあくまで法的に想定し得る流れです。そもそも法的責任追及がなされないこともあります。必ず以下のとおりになるわけではありませんのでご注意ください。

ファイル共有ソフトによる著作権侵害についてご相談等をご希望の方は,弁護士によるファイル共有ソフト著作権侵害の法律相談をご覧ください。

弁護士による法律相談のご予約は 042-512-8890

ファイル共有ソフトによる著作権の侵害

BitTorrent(ビットトレント)などファイル共有ソフトを利用したからといって,それだけで著作権侵害になるわけではありません。

ファイル共有ソフトを利用して著作物を無断でインターネット上にアップロードしたり,本来有償提供されており著作権侵害しているファイルと知りながらダウンロードするような場合に,著作権侵害として違法な行為になります。

もっとも,ファイル共有ソフトの場合には,意図的にアップロードをしていなくても,動画ファイル等をダウンロードすると,同時にそのファイルの全部または一部をアップロード(またはアップロード可能化)する仕組みなっているものがあります。

そのため,ファイル共有ソフトで動画ファイル等をダウンロードしただけのつもりでも,同時にアップロード(またはアップロード可能化)されることにより,著作権侵害行為をしていることになるのです。

>> ファイル共有ソフトによる著作権侵害の法的責任とは?

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著作者によるIPアドレス等の内部調査

ファイル共有ソフトによる著作権侵害行為があった場合,著作者は,侵害行為者を調査することになります。

具体的には,「P2P FINDER」などファイル共有ソフトによる著作権侵害を監視するためのシステムを利用して,著作物ファイルをダウンロード・アップロードしているユーザーのIPアドレスを特定する調査が行われます。

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著作者によるプロバイダ等に対する発信者情報開示請求

著作権侵害を行っているファイル共有ソフトのユーザーのIPアドレスが特定された場合,次は,そのIPアドレスを保有するユーザーを特定することになります。

具体的に言うと,著作者は,インターネットプロバイダ等に対して,プロバイダ等と契約をしているIPアドレス保有者の個人情報を開示するよう発信者情報開示請求を行うことになります。

>> ファイル共有ソフトによる著作権侵害の発信者情報開示請求とは?

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プロバイダ等からユーザーに対する発信者情報開示の意見照会書の送付

著作者から発信者情報開示請求を受けたプロバイダ等は,その発信者本人に対して,情報を開示してい良いかどうかについての意見を聴取しなければならないとされています。

そこで,プロバイダ等は,発信者であるユーザーに対し,発信者情報を開示して良いかどうかについての意見照会書を送付することになります。

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ユーザーからプロバイダ等に対する意見照会への回答

プロバイダ等からの意見照会書を受領したユーザーは,プロバイダ等に対して,発信者情報開示を許諾するか,拒否するかの回答をすることになります。

この回答の期限は,2週間ほどとされるのが通常でしょう。

なお,改正プロバイダ責任制限法(2022年10月1日施行予定)によると,プロバイダ等は,発信者に対し,情報開示を許諾するか拒否するかだけでなく,拒否する場合にはその理由も聴取しなければならないとされています。

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ユーザーが発信者情報開示を拒否する回答をした場合

ユーザーは,発信者情報開示を拒否する回答をすることもできます。

発信者の回答はあくまで意見ですので,法的拘束力はありません。しかし,発信者が拒否回答をした場合,プロバイダ等は発信者情報を開示しないのが通常でしょう。

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プロバイダ等から著作者に対する発信者情報不開示の通知

上記のとおり,発信者であるユーザーが発信者情報開示を拒否する回答をした場合,プロバイダ等は発信者情報を開示しないのが通常です。

拒否回答を受領したプロバイダ等は,著作者に対し,発信者情報を開示しない旨の通知をします。

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著作者からプロバイダ等に対する発信者情報開示請求の訴え

発信者情報が開示されなかった場合,著作者は,裁判所に対し,プロバイダ等を被告とする発信者情報開示請求の訴え(通常訴訟)を提起する必要があります。

なお,改正プロバイダ責任制限法(2022年10月1日施行予定)では,新たに,発信者情報開示命令という裁判手続が設けられる予定になっています。

そのため,改正後は,訴訟ではなく,発信者情報開示命令制度が用いられる可能性もあるでしょう。

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発信者情報開示請求訴訟の判決

発信者情報開示請求訴訟において,著作者側が勝訴し,その判決が確定した場合,プロバイダ等は,著作者に対し,発信者情報を開示することになります。

他方,プロバイダ等が勝訴し,その判決が確定した場合には,発信者情報は開示されないことが確定します。

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プロバイダ等から著作者に対する発信者情報の開示

発信者情報開示の意見照会において発信者であるユーザーが開示を許諾する回答をした場合や発信者情報開示訴訟において著作者側の勝訴判決が確定した場合,プロバイダ等は,著作者に対し,発信者であるユーザーの情報を開示することになります。

開示される情報は,発信者であるユーザーの氏名・住所・電話番号・メールアドレス・IPアドレス・ポート番号等とされています(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第一項の発信者情報を定める省令)

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著作者からユーザーに対する損害賠償・利用停止等の請求

発信者情報開示を受けた著作者は,その情報に基づいて,ユーザーに対する法的責任の追求を検討することになります。

著作権侵害による法的責任追求としては,民事責任の追求と刑事責任の追求とが考えられます。

もっとも,ファイル共有ソフトを利用して複製を作成して海賊版を有償で配布しているなどの悪質な場合でない限り,まずは民事的な解決を図るのが通常でしょう。

具体的に言うと,著作者は,ユーザーに対し,著作権侵害行為の停止(ファイル共有ソフトの削除やファイル自体の削除など)や損害賠償の請求をすることになります。

方法としても,いきなり訴訟提起ではなく,裁判外で通知や警告書を送付するのが一般的と思われます。

>> ファイル共有ソフトによる著作権侵害の民事責任とは?

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著作者とユーザーとの示談交渉

裁判外での解決を図る場合には,著作者とユーザーとの間で示談交渉を行うことになります。

示談においては,損害賠償(被害弁償)の金額や支払い方法だけでなく,ユーザーは以降の著作権侵害を行わないこと(ファイル共有ソフトの削除やファイル自体の削除など),著作者は刑事告訴をしないことなどを合意し,示談書を取り交わすことになります。

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著作者からユーザーに対する損害賠償等請求の訴え

裁判外における示談交渉が成立しなかった場合,著作者は,裁判所に対しユーザーを被告とする損害賠償等請求の訴え(通常訴訟)を提起することになるのが一般的でしょう。

実際,BitTorrent(ビットトレント)ユーザーに対する損害賠償請求が認められた裁判例も存在します(知財高判令和4年4月20日)。

なお,上記裁判例は,損害賠償請求の訴えではなく,ユーザー側から著作者に対する債務不存在確認の訴えの事案です。認容された損害賠償額は,1万円~6万円ほどです。

>> ファイル共有ソフトによる著作権侵害の損害賠償請求とは?

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損害賠償等請求訴訟の判決

損害賠償請求訴訟において著作者が勝訴し判決が確定した場合,著作者はユーザーに対して支払いを求め,支払いがなければ強制執行等の手続を検討することになります。

他方,ユーザーが全部勝訴し判決が確定した場合,内容にもよるでしょうが,以降,その著作者から同じ著作物について著作権侵害を追求されることはなくなります。

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著作者による刑事告訴

著作者は,民事責任の追求ではなく,刑事責任の追求という手段を選択することもあり得ます。特に民事的な解決が図れない場合には,刑事責任追求を検討することになるでしょう。

刑事責任としては著作権法違反ということになります。ファイル共有ソフトによる著作権侵害行為の場合,基本的に親告罪とされています。

そのため,刑事責任を追求する場合,著作者は,捜査機関に対して著作権法違反について刑事告訴をしなければなりません。

>> ファイル共有ソフトによる著作権侵害の刑事責任とは?

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刑事事件の手続

著作者による告訴状が正式に受理された場合,捜査機関(警察)は捜査を開始することになります。

ファイル共有ソフトによる著作権侵害の場合,よほど悪質な事案ではない限り,ユーザーが身体拘束(逮捕・勾留)されることは少ないと思われます。

また,起訴前に示談が成立すれば,起訴猶予となり,起訴には至らないことが多いでしょう。

この時点での示談においては,損害賠償(被害弁償)の金額や支払い方法だけでなく,ユーザーは以降の著作権侵害を行わないこと(ファイル共有ソフトの削除やファイル自体の削除など),著作者は宥恕(行為を許し処罰を求めない意思の表示)などを合意し,示談書を取り交わして検察官に提出することになります。

なお,仮に起訴された場合でも,示談が成立しているかどうかは,量刑(刑がどの程度の重さになるのか)に大きく影響してきます。

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